指す順6th 地獄の観戦記(B2 第6回戦)〜第1章 気球に乗ってどこまでも〜
まずはじめに、私は『自戦戦』的なものを書いてはいるが、『観戦記』的なものを書くのは初めてである。よって、イマイチ書き方がわからない。
なので、なんとなーくそれっぽい感じで書くので、なんとなーくそれっぽい感じで読んでもらいたい。そもそもB2といえば、私と比べて棋力が
大駒65535枚分かけ離れている為、ぶっちゃけ、
何やってるのかよくわからなかった。
〜これまでの経緯〜
ついにウォーキングデッドのファイナルシーズンであるシーズン11が本国のアメリカで放送開始した。しかし、依然として日本での放送は未定である。そんな悲しみ、憎しみ、愛しさ、切なさ、
心強さをこの観戦記にぶつけていこうと思う。
〜注目の戦型〜
【初手〜8手目】
▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩
▲2五歩△3三角▲4八銀△4二飛
先手は地獄研の『癒し』担当の和(かず)さん、
生粋の居飛車党(だと思う)で、とても筋が良く、有り余る才能の持ち主で、勉強不足な部分も全てカバーしている。詰将棋が嫌いという割に、鋭い終盤に定評がある。口癖は、
「詰将棋は意味ないです(笑)」
…だった気がするが、違ったかもしれない。
後手が地獄研の『地獄』担当のうまぴょい伝説こと、とよしさん。居飛車も指せる振り飛車党で、
何と言っても作戦の幅が広い。対局相手としては戦型を絞りづらく、対策もしづらい。攻めだけではなく、受けの技術にも定評があり、劣勢、敗勢からの粘りは超絶品チーズバーガーだ。
mixiのサンシャイン牧場で嫌いなマイミクの畑に虫を入れまくる仕事をやっていた過去がある。
さて、ついに定刻の21時半を迎え、対局が開始された。まずは先手の和さんが飛車先の歩を突いた。居飛車党としては当然の呼吸で、後手のとよしさんは角道を開けた。そして先手も角道を開け、後手どうすんのよ?という局面。『中飛車党』の私としては、ここで5筋の歩を突いてほしかったが、想いは届かなかった。後手は角道を止め、恐らく事前予想で本命と思われた四間飛車になるだろうという声が地獄検討室(スペース)から聞こえてきたが、それは私の声だった。
もちろん、『戦法のデパート』と呼ばれるとよしさんのことなので、三間飛車も考えられたが、
飛車は4筋に振られることになった。次の注目ポイントは『囲い』だ。『盤上のクマ牧場』の異名を持つとよしさんが得意とする『穴熊』にするのか、無難に『美濃囲い』で勝負をするのか、それに対して、『北関東のスピードスター』の二つ名を持つ和さんが急戦を仕掛けるのか、それとも
持久戦に持ち込むのか、楽しみな局面だ。
〜やっぱり熊なのか〜
【9手目〜22手目】
▲6八玉△6二玉▲5六歩△3二銀▲7八玉
△7二玉▲5七銀△4三銀▲9六歩△9四歩
▲5八金△8二玉▲3六歩△9二香
お互いが玉を囲い合うフェイズに突入した。
先手が玉側の端歩を突いたところで、後手も突き返した。端歩を突いて穴熊も十分に考えられるが、美濃にする可能性が高いのか?私のゴミカスのような乏しい棋力では、ここから穴熊を完成させられる未来が想像できなかったが、香車がぴょいっと上がった。これはもうアレしかない。
その瞬間、早くも先手が仕掛けた。
数日前の地獄研では、『四間飛車穴熊』に『急戦』をやってみたいとコメントしていた和さんだったが、穴熊には穴熊が無難ではないか…的な結論が出ていた。この先手の機敏な仕掛けに地獄検討室では、『地中海の赤い悪魔』こと、解説の八十(やそ)さんが「素直にクマった方がいいのではないか」、急戦は「幸せになる未来が見えない」とボヤいていたが、聞き手の私はボーッとお茶を飲んでいた。最近のトレンドはコーン茶だ。
後手はぶつけられた歩を取ったが、八十さん
曰く、普通の四間飛車では取らずに3筋に飛車を回るのが良さげなのではないかとのこと。
先手の銀が出陣したところに後手が歩を突いた。
【23手目〜26手目】
▲3五歩△同歩▲4六銀△4五歩
ここで先手の和さんが馬ぴょいして、
後手のとよしさんが桂馬ぴょいで取り返した。
目まぐるしい攻防に地獄検討室は混乱状態だ。
そして歩に挟まっていた銀が右に前進した。
解説の八十さん曰く、「△3九角で後手はいつでも
馬作れるよね。うまぴょい伝説だけに」…とか言ってるところに後手が飛車先の歩をさらに突いた。実に怪しいが、私にはよくわからない。
八十さん的には『筋』なんだそうだ。飛車先を軽くして、いつでも捌けるようにする、いかにも『振り飛車党』らしい手のようなので、とても勉強になる。先手はその歩を銀で取って、後手が桂馬のお尻を支えるように金を上がった。当然、この手の意味も私にはわからない。ただ、前日に似たような玉型の将棋を観たような記憶はある。だからどうって話でもない。
〜やらかしたのか疑惑〜
【27手目〜32手目】
▲3三角成△同桂▲3五銀
△4六歩▲4六銀△3二金
地獄検討室では、次の一手で損のない手を指せれば、先手が良いのではないかとの見解だった。
個人的には▲2四歩とか突いてみたらどうだろうと提案してみたが、追い返されると相手に手番渡しちゃうよね的な指摘を受けた。実に愚かな読み筋を披露してしまった私は、反省の意味をこめて、お茶を飲んだ。いつもと変わらない味だ。
囲いに手を入れたいよね的な話をしていたところ、先手は6六に角を打った。後手の3九角の狙いを消した良い手だと八十さんが絶賛していた。
そこで後手も△9一玉と意外な動きを見せた。
負けじと先手も玉頭に桂ぴょいした。
そしてお待ちかね審議の一手はこちら。
【33手目〜36手目】
▲6六角△9一玉▲7七桂△8四角
地獄の検討室では▲8四同角△同歩▲8三角は
大丈夫なのかと心配の声があがった。
結論から言うと、もちろんだいじょばなかった。
ここから数手サクサク進んだので、すべてはとよしさんのシナリオ通りなのかと思ったが、とよしさんの生態に詳しい有識者の八十さんに強く否定された。どうやら、このなんやかんやの攻防で
後手からの3九角が怖くなくなったとのこと。
八十さんの形勢判断としては、先手よし。
先手の玉が端にいないことにより、先手からの
端攻めも期待できる。
【37手目〜42手目】
▲8四同角△同歩▲8三角打
△7二金▲6五角成△8二銀
後手が銀で穴熊のハッチを閉めたところで、
先手は5筋の歩を突いた。八十さん曰く、
『玄妙な手』とのこと。八十さんは難しい日本語をいっぱい知っててカッコイイなと私は思った。
地獄検討室では、この手の意味がよくわからなかったが、なんとそこに救世主が現れた。
『救世主』と言えば、私はウォーキングデッドのシーズン6あたりから出てくる『ニーガン』というキャラクターが大好きだ。これ以上はネタバレになるのであまり書けないが、『救世主』というグループのリーダーをやっている。主人公サイドから見ると巨大な敵グループのボス的な存在だが、
とても魅力的で、そこに痺れる憧れる。
〜救世主の正体とは〜
話は戻って、地獄の検討室に現れた救世主を
紹介したいと思う。山崎隆之八段に声が似てることでお馴染みのポール先生だ。ここからは八十さんとポールさんのダブル解説でお送りすることになる。私はこの2人の会話についていけない。
符号のマシンガンに対して、テキトーに相槌を打っているが、ほとんど何言ってるのか理解できてないし、あんまり聞いてない。
【43手目〜46手目】
▲5五歩△8三角▲7五馬△5二飛
八十さんの予想通り、後手は先手の馬に合わせて角を打ったが、先手は馬をぴょいっと横に移動した。後手は飛車を5筋に移動したところで少し先手が長考した。地獄の検討室では、これは完全にとよしさんがやらかしたのではないかという見解となった。原因は疲労による錯覚ではないかという声もあがった。しかし八十さんは諦めていない。
「ここから強いのが、とよしくんだ」
ポールさんもその言葉に激しく同意した。もちろん私もとよしさんの恐ろしさをよく知っている。
先手は▲6六歩と突いたが、これもまた狙いがわからない地獄検討室。単純に△5六角と出たところが王手になるよね…っていう話から特にこれと言って進展しなかった。後手は飛車先の歩をぶつけた。先手が取って、後手が取り返して、先手が追い返して、後手は飛車を下段に引いた。
【47手目〜52手目】
▲6六歩△5四歩▲同歩△同飛▲5五歩△5一飛
『三歩』あったら、▲3四歩を叩いてみたいが、
『二歩』だとちょっと心許ないと八十さん。
とりあえず、2四の歩を突いてみて、△同歩、
▲同飛の瞬間に手抜いたところを▲8四飛…
みたいなのは、どうだろうと地獄検討室。
予想に反して、▲3四歩と先手は桂頭に歩を叩いた。銀で取ったところを▲2四歩。△同歩、
▲同飛車と進んだところで、本日の
『地獄の一手』問題を出題する。
〜地獄の一手〜
【53手目〜57手目】
▲3四歩△3四銀▲2四歩△同歩▲同飛
実はこの局面、使用するソフトやPCのマシンスペックにもよるが、私の使っている激指15で検討してみると互角(微妙に後手が良さげ)という評価値となった。ここが勝負の分岐点になりそうだが、激指15が最善手とした地獄の一手を考えて頂きたい。正解者の中から抽選で一名様を『地獄研』特別講師としてお招きしたいが、きっと断られると思うので、やめておく。
そんなこんなで長くなったので、続きはまたいつか書こうと思う。とりあえず『観戦記を書く』とはいったが、『終局まで書く』とは言ってないので、きっと許してくれるだろう。この勝負の行方(なめかたではない)がどうなるのか。どんな
地獄の感想戦が待っているのか。ウォーキングデッドのファイナルシーズンはいつになったら日本で観れるようになるのか。乞うご期待。
ちなみに、この記事のトップ画像やサブタイトルには、これと言って特別な意味は存在しない。