「教える技術」に出会ったからシェアしてみた
みなさん、いつもスキありがとうございます。
はい、つかさ@パーソナルプリセプターです。
最近、webで受けた研修で興味深いものがあったので、シェアしたいと思いました。
看護教育に関心のある方や、指導者・プリセプター向けの文章になるかもしれませんが、とってもとってもおすすめの情報です。男性看護師さん・新人看護師さんも「こんなのもあるんだな」というくらいで良いので、よければ見て行って下さい。
●教える技術とは
みなさん「教える技術」または「インストラクショナルデザイン/instructional design」って聞いたことあります?
今回は、インストラクショナルデザインという教育理論に出会って、つかさに激震が走ったよって話をしたいと思います。
instructional design.
直訳すると「教えるデザイン(設計)」なんですが、その通りで「教え方には型があって、物事を教えたときのその原因は100%教えた側の問題として考えましょう」という考え方なんです。
教えられた側の問題ではなくて、教えた側の問題なんです。
これ斬新じゃないですか?
●何で今回とりあげるのか
まずこの斬新な考え方が、つかさ的にはびびって来ました。
看護現場への応用めっちゃできるなって。なぜなら、ある程度経験を積んできて仕事が回せる若手ナースになってくると、後輩指導がメインな時期ってくると思うんですよね。
担当プリセプターじゃなくても、病棟リーダー業務をしているため、業務中に降りそそぐ後輩からの疑問に対して全力でサポートする時。あるじゃないですか。(つかさは看護師8年目で、病棟のリーダー業務はやってます)
新人さん)つかささん、この処置は実は初めてですー
新人さん)つかささん、この薬ははじめて見たんですけどどう使えばいいですか?
新人さん)つかささん、〇〇ってどうやるか教えてもらっていいですか?
師長・主任さんは管理者なのでもっと病棟全体の管理業務をされてます。なので、分からないことが出たらまず若手ナースが答えることが多いです。
このように、プリセプターを務め終わっても若手ナースが後輩に教える場面は沢山あります。ほんで、教える技術があれば、教える方も教わる方も効率良いのでみんなにメリットがあります。←ここでさらにビビッときたんですね。
(患者さまやご家族様への医療処置・介護技術を教えるにも応用できます!)
●看護教育に「教える技術」は馴染むのか
でもこの教える技術、本当に看護教育および看護現場に合うのでしょうか。
つかさの意見としては、「この考え方が合わない職場は新人教育の体制に上下関係が生まれてしまっているのでは?」と思います。
立場上、先輩が上で後輩が下というのは異論ないのですが、「教える・教えられるという関係」においては基本的に対等であるべきと考えます。
教えるときに上下関係が持ち込まれてしまうと、どうしても教えられる側が弱くなってしまいがちです。すると、物事を習得できないのが教えられる側の責任100%になり、なかなか理不尽な状況が生じてしまいます。
たしかに、看護師も体育会系なところはあります。専門職・技術職としての側面はあるので。あと、前提として、先輩への礼儀や敬意ってもちろん大事です。
でも、体育会系の単純に「厳しくすればできるようになる」はもう時代錯誤なのでは?と内心思っています。「甘いとできるようにならない。あえて厳しくする」も一理あるとは思うんですが、看護師という仕事上の付き合いで、年単位での関係においては先輩・後輩がそれだと正直きついと思います。
で、教える技術・インストラクショナルデザインというのは、「上下関係に依存しないで、正しい教え方でやればいいやん」って話なんです。変な力関係で成り立つんじゃないから、教える方にとってもラク。
(その分、立場を利用しないから難易度は上がると言われています)
●体育会系の教え方は、なぜ看護師教育にも根深いのか
なぜ看護師教育に体育会系の考え方が融合されてしまったのか。
そもそもを深掘りして見たいと思います。
つかさの考察では、体育会系の教え方が看護師業界で肯定されている要因は3つあって、こういうものが挙げられると思います。
① 患者さんの命を預かっているから(失敗は許されない)
② はじめに基本をみっちり教えないと、将来教えられる側自身が苦労するから
③ 医者も上下関係がはっきりしていて、医療従事者の文化だから
ですが、新人看護師および教えられる側の立場に立って考えてみると、あまり馴染まない考え方ばかり。結局のところ、学生時代に普通のサークルやバイトを経験してきた新人看護師に対して、体育会系の雰囲気は親和性が低いのではないかと思います。
もちろん、患者さまの不利益になることは発生しないよう努めるべきだし、侵襲性を伴う医療行為ではゆるされないミスがあることは分かります。
※例えば
▶︎ マーゲンチューブを入れて胃泡音や腹部レントゲンを確認せず経管栄養投与
▶︎ 動脈ラインうっかり抜いちゃう
▶︎ 挿管チューブ抜いちゃうとか
→これらは、本当にあってはいけないミスの範囲かと思います。
また、新人時代にきちんとした技術を習得することは、その後の仕事・キャリアにおいてもやっぱり重要だと思います。看護の臨床現場で求められるのは、迅速な判断とたしかな技術。それは間違いないでしょう。
さらに、医療従事者の文化といっても、医師が社会的に上下関係に厳しいのも分かりますが、看護師が医師に合わせる理由は本来はないはず。
これら3つが、「教える・教えられるの関係」においても混在しやすい価値観と思われます。そして、体育会系の教え方に変わる新しい手法として、より「教える技術・insutructional degin」に関心が集まっているんでしょう。
はい!
今回は、「教える技術・インストラクショナルデザイン」についての概要と、看護現場での考察を述べさせていただきました。次回はより具体的な手法に触れながら、看護教育への活かし方など話していきたいと思います。
つかさが手に取ったのはこの本
世界一わかりやすい 教える技術 – 2018/4/15 向後 千春 (著)
めっちゃ読みやすいので1日で読めちゃうと思います。もし興味ある人は、見てみてくださいね!
それでは!次回の記事でお会いしましょう。