インフレってなに?【1日5分おかねの勉強】

はじめに

 前日の記事で円安について書きました。今回はインフレについての記事を書きます。よくインフレが進むと、為替相場は円安に動きやすくなると言われています。インフレと円安の関係を説明しつつ、インフレについてわかりやすく説明しようと思います。

インフレってなに?

 そもそもインフレってなんでしょうか?

 この言葉、社会の授業やニュース、経済学を学んだ時など人によって知るタイミングが全く異なります。私は小学生の時に、第一次世界大戦後のドイツがインフレになったという内容で歴史の授業で突然このワードが出てきました。その時は塾の先生からお金を作ったらインフレが起きると教えられました。

 実はこれハイパーインフレの話ですので、一言でインフレとまとめられても困ります・・・。ハイパーインフレといえば数年前に100兆ジンバブエドルが話題になりました。これは日本円換算で0.3円ほどでした。ハイパーインフレはとんでもない事態なのです。
 日本ではネットミームとして5000兆円欲しいというのが流行りましたが、日本でハイパーインフレが起きるとあり得ない話ではないですね(笑)
 笑い事ではないですが…。

 閑話休題、インフレの定義から見ていきたいと思います。
 インフレとはインフレーション(inflation)の略です。インフレーションの定義は、一定期間にわたって経済の価格水準が全般的に上昇することです。
 インフレになり価格水準が上昇すると、1単位の通貨で購入できる財やサービスの数が減ります。そうすると、相対的にお金の価値が下がります。

 例えば、これまで10,000円で買えたものが、11,000円に値上がりした場合、同じものを買うために1,000円多くのお金を払うので、この場合は円の価値が下がっているといえます。

インフレと円安の関係
 このように円の価値が下がると、円と外貨を交換するときの比率である為替レートにおいても円の価値が下がるため、インフレは円安の原因になるといわれています。
 また、円安がインフレの原因になることもあります。円安になると、海外では日本の製品が安くなり買いやすくなります。日本では海外に輸出をする自動車メーカーなどが経済的に大きな割合を占めているので、輸出が増えて企業の業績があがると景気が良くなると言われています。
 そして、景気が良くなると、賃金も上がり、物がよく売れてインフレが起きやすくなると言われています。

インフレには種類がある?

 実はこのインフレには、二種類あります。

  • 良いインフレ

  • 悪いインフレ

 この良いインフレと悪いインフレですが、良いインフレは景気が良くて物価が上がるインフレです。
 逆に、悪いインフレは原材料費の値上がりなどで製造業などの原価が高くなり、物価が上がるインフレです。日本は食品を初め生活に関わる多くの品や原材料を輸入しています。円安により輸入材料の値段が上がれば、その分、企業の製造コストは増加し、利益は減ります。賃金は上がらないのに、企業が利益を上げるために商品の値段を上げると、生活は圧迫されてしまいます。
 物価が上がり続けるインフレの局面では一般的に金利を引き上げるという日銀による金融政策がとられます。日本銀行については以下の記事でも取り上げているのでぜひ参照してみてください。
 実は物価は「金利」とも深い関係がありますので、金利についても今後記事にする予定です。

インフレのメリットとデメリット

 では、インフレのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
 一般的にインフレは、好況下でモノ・サービスに対する需要が増加し、供給を上回ることで発生することが多いと言われています。物価が上がっていくため、消費者は買い物を先延ばしにせず「安いうちに買おう」という心理が働きます。こうして消費が活発になればなるほど、企業は売上が増えるため利益の改善が見込まれ、賃金も上がるなど、社会にお金が循環してより景気は良くなると言われています。一見すれば、インフレは良い面ばかりのように感じますが、もちろんデメリットもあります。
 そのデメリットを一言で表すとすれば、お金の価値が下がるということです。その他にも、インフレに対する不確実性による投資や貯蓄の抑制が起きます。これもお金の価値が下がってしまうことに起因しています。インフレによるこのようなリスクのことをインフレリスクといいます。現金や固定金利の定期預金、債券などはインフレリスクに弱いと言われています。
 インフレは、経済に様々な良い影響と悪い影響を与えるわけです。多くのエコノミストは、低位で安定したインフレを支持していると言われています。そして、このインフレ率を低く安定的に維持する任務は、中央銀行である日本銀行にあり、金利の設定、公開市場操作、銀行の預金準備率の設定を通じて金融政策でインフレをコントロールしています。

 日本銀行は責任重大ですね。今後、日銀の金融政策に関するニュースが出た際は私たちの生活にも影響するので注意してみてみてください。

さいごに

 インフレを学ぶにあたって以下の3点を押さえておくと良いと思います。

  • 円安が関係する

  • 良いインフレと悪いインフレがある

  • 日本銀行が頑張っている

 特に2点目の良いインフレと悪いインフレがあることは絶対に知っておいてください。なぜならば、ニュースなどは0か1で記事を書いていることが多いからです。どっちの立場で話し手が話しているかを知る能力も今後重要になっていきます。
 お金の話の多くに0か1で語れるものはありません。
 お金の話では、トレードオフの関係も多くジレンマを抱えていることが多いからです。良いことだと思ってやったらマイナス面も増えてくる。この均衡をいかに自分でコントロールするかも重要な課題の一つです。
 ぜひお金のことを学ぶ際ははっきりとした立場から学ぶのではなく、大雑把にやるのも一つの手です。

 最後まで読んで頂きありがとうございました。

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