簿記ってなに?【1日5分おかねの勉強】

簿記の種類

 簿記には、単式簿記複式簿記があります。

単式簿記とは

 単式簿記はとてもシンプルなお金の記録方法です。家計簿や預金通帳をイメージするとわかりやすいです。個人・法人問わず、お金を使えばお金の流れが生まれます。それを、簿記的取引をただ一つの科目に絞り記録・集計する記帳法のことが単式簿記です。
 単式簿記では、お金を使った項目のみ記入すればよく、使われたお金によってどんな結果が生まれたかの記載は必要がありません。

複式簿記とは

 一方、複式簿記は取引の二面性を記録します。取引の二面性とは、簿記的取引には原因としての側面と結果としての側面があることです。
 例えば、建物の現金による購入という1つの取引においては、建物の増加(資産の増加)という側面と現金の減少(資産の減少)という2つの側面があり、それを帳簿に記入します。
 複式簿記では、この取引の二面性に着眼し、B/S項目の資産・負債・純資産とP/L項目の費用・収益の5つのいずれかに属する勘定科目を用いて借方と貸方に同じ金額を記入する仕訳と呼ばれる手法により記帳します。利害関係者に対して、情報公開の手段として用いられる財務諸表の構成要素がB/SとP/Lです。貸借対照表はbalance sheetよりB/S、損益計算書はprofit and loss statementからP/Lと略されます。これらの財務諸表は公表が義務付けられていますので、上場している会社であれば簡単に見ることができます。
 ちなみに、貸借対照表は「たいしゃくたいしょうひょうたいしょうひょう」と読みます。決して、賃借対照表(×)ではないので漢字には注意してください。この間違いは非常に恥ずかしいです。

 今回は「簿記」についての記事なので、財務諸表については軽く触れようと思います。では、簿記は何に使われるのでしょうか?

簿記は何に使われるの?

 財務諸表とは、簿記初心者には少し難しいかもしれませんが企業の決算書を指します。財務諸表は企業が一会計期間(基本的には1年)の事業の報告のために作成する書類のことです。そして財務諸表の目的は、投資家や債権者などの利害関係者などに企業の財政状況や経営成績を開示することにあります。貸借対照表は「ある時点における企業の財政状態(ストック)」を表します。一方で、損益計算書は「ある一定期間における収益と費用の状態(フロー)」を表します。簿記を学ぶとはこれらの財務諸表を作る基本を学ぶということなのです。

社会人の一般常識・基礎力として、簿記の知識は必要不可欠。上場企業は、四半期に一度、財務諸表(企業の利益や経営、財産状況をまとめた書類)を出す義務があります。結果として、規模が大きい会社ほど、簿記や会計の知識を持つ人材のニーズは大きくなります。

日本商工会議所 簿記の活用Q&Aより

 簿記というと日本商工会議所が実施している簿記検定がとても有名な資格なので知っている方も多いと思います。やはり、有名資格になるだけあって簿記はビジネスを自分でする方も投資をする方も会社で勤める方も必要不可欠な知識です。

さいごに

 今回は簿記、特に現在主流の複式簿記について触れました。今回の記事では簿記のさわりだけです。より難易度の高い話は今後記事で書いていきたいと思います。
 今回の記事では、簿記は社会人の一般常識・基礎力であるという知ってもらえたら嬉しいです!
 願わくば、簿記に興味を持って会計人材増加を願います。

 余談ですが、実は近年、この複式簿記が最新のテクノロジーであるブロックチェーンによって進化しようとしています。ブロックチェーン的三式簿記と呼ばれています。三式簿記は複式簿記の歴史から見て、複式簿記の拡張概念と言われています。実は今までも三式簿記の研究は行われていましたが、もしかしたら長く続いた会計学の歴史もブロックチェーンというテクノロジーで進化するかもしれません。
 
 簿記と会計の歴史はセットです、そして会計の歴史はとても興味深いものです!会計オタクだけかもしれませんが・・・

 私の個人的な考えですが、まず『マンガ 会計の世界史』を読んでみてください。それで会計の歴史に興味を持った方はより丁寧に歴史的な考察をしている「会計学の誕生」を読んでみるといいと思います。

 最後まで読んで頂きありがとうございました!

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