円安ってなに?【1日5分おかねの勉強】
はじめに
前日の記事で為替について書きました。今回は円安についての記事を書きます。
最近はニュースで円安についての記事が多いので、多くの人が耳にしたことがあると思います。
では、この日経の記事のタイトルにもあるとおり、円安は日本経済の弱さなのでしょうか?話はそう単純ではありません。そもそも円が安いとはどういう状態なのか、今回の記事ではそれを取り扱おうと思います。
円安ってなに?
日本銀行によると以下のように書いてあります。
相変わらず難しく書かれていて分かりにくいですね。一言で表すと「外国のお金に対して円の価値が低くなること」のことです。だからこそ、円の価値が低くなる=日本経済が弱くなると言う方も多いです。
たしかに、円安のデメリットは多いと言われています。ニュースでも連日のように円安のデメリットが見出しに書かれています。
円安のデメリット
では、円安のデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
日銀内部における金融研究の第一人者であった翁邦雄(おきな くにお)氏によると、円安のデメリットを以下のように述べています。
また、森永卓郎氏は以下のように述べています。
円安のデメリットが目立っているイメージですね。ただ、個人にはあまり馴染みがなく想像し難いデメリットで経済学者でも意見が分かれているのが現状なので、一般的な円安のデメリットについて触れたいと思います。
個人に影響する円安の最大のデメリットは、やはり輸入製品が高くなり家計が苦しくなる点です。円安の影響で輸入コストが高くなるため、エネルギー資源や食料品などの価格が高騰します。日本は資源が乏しく輸入に頼っている国なので円安だと小麦などの価格が上がると言われています。
円が安くなるとスーパーに並ぶ商品の値段が上がる、と考えると円安のデメリットがイメージしやすいと思います。
また、円安による影響で海外旅行にかかる費用も高くなります。円安のときは円の価値が下がっているため、海外通貨と両替する際に円高時に比べてより多くの円が必要になります。
私たちの暮らしにはかなりの悪影響がありますね。
円安のメリット
では、円安にメリットはないのか。個人に関わる円安の最大のメリットは、外貨建投資をしている際に資産が増える点です。外貨建投資とは、円を外国通貨に換えて運用する投資のことで、高い金利も期待できると言われています。
だからと言って今始めたら絶対にダメですよ!!!最近はニュースで、外貨建投資が増えているとありました。
少し話は逸れますが外貨建投資は長期保有する場合に満期時に円高の場合は損します。今が円安なら必ず円安が進むわけではありません。将来さらに円安が進むのかそれとも今より円高になるのか、その可能性を考えて投資しなければいけません。為替相場は神のみぞ知るセカイです。だからこそFXもギャンブル要素が強いと言われることもあります。話は逸れましたが、資産運用は自己責任です。絶対に金融商品のプロだからといって他人の言いなりで投資をしてはいけませんよ。
金融リテラシーを身につけ自己判断できるようになってから行なってください。
閑話休題、円安のメリットについて話を戻します。
海外では日本製品が安くなるため、売れやすくなる点も円安のメリットとなります。そのため、輸出企業は円安のメリットを享受できます。外国で車を売っているトヨタ自動車は、1円の円安で400億円も営業利益が増えるとも言われています。
また、外国人観光客を呼び込むプラスの面もあります。日本は観光資源が豊富なので円安効果でインバウンド需要の高まりも期待されています。
円安に関してはネガティブな話題が多いからこそ、情報に踊らされるのでは無くメリットがあることを理解しておいてください。
さいごに
過去を振り返ってみると日本は、外国にモノを売りやすいときの方が景気が良くなることが多いと言われています。
景気が良くなる条件の一つとして、円安で儲かった企業が給料を増やしたり設備投資したりしてお金をたくさん使う必要があります。この条件を満たさないと、日本全体の景気は停滞してしまいます。また、円安時に賃金を上げることが良い円安になる条件でもあります。私たちが円安により景気が悪くなりそうだと思い始めてお金を使わなくなると、本当に景気が悪くなります。
ニュースの見出しも円安の悪い面について書かれることが多いですが、私たちはしっかり円安のことを理解し、円安の悪い面ばかりに注目するのはやめましょう。
この記事を書いている際に速報として日銀の黒田総裁から円安の落ちつきに関する評価のニュースが発表されました。以下に記事を載せておきます。
日本銀行についての記事も書いておりますので、こちらも参照してみてください。日本銀行が何をしているのか読んでみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。