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後継経営者転職で出会う3つの問題について

先日、中小企業の事業承継スキームとして「サーチファンド」への注目が高まっている、といった記事をみる機会がありました。

後継者不足を解決する第3者への事業承継が、具体的な実例とともにその認知が少しずつ広がってきていることを、ここ数年の採用・転職支援の取り組みを通じて実感しています。

今回は、後継経営者を目指す転職活動において、エージェントとして感じている3つの問題についてまとめていきます。

3つの問題は、うまくエージェントを活用をいただけると問題が解決すると思っています!


求人が増えるも情報が流通しにくい問題


”自分のネットワーク以外で経営ポジションを探したい”

経営経験がある方など、経営ポジションでお声がけが多くかかる方から、こういったご相談が増えているように感じます。

関係が近い企業や同業界の企業からの相談など、様々なお声がけがあるものの、ご自身と近しい企業(業界)で経営者になるのではなく、これまでの経験を活かしながらも、しがらみのない企業、環境で経営者としてチャレンジをしたい、という想いでご相談にいらっしゃいます。

転職活動中の候補者の方からすると、近しい求人情報が多くなってきているものの、ご自身がもとめる企業と出会いにくい状況があります。

一般的な求人とは異なりwebで検索できるような求人情報ではないですが、経営者不足の現状から今後も経営者ポジションが増えていくことが想定されます。
ただ、その稀少性・機密性のため、情報をもとめる方の手元まで届いていないように感じます。

そのような情報を保有しているのが我々エージェントです。
エージェントの得意な業界・領域、個人としての相性なども踏まえながら、求人情報が手に届きやすい環境をつくることをお勧めします。

点の活動支援になりがちなエージェント問題


2つ目はエージェント側の問題です。書き進めることが忍びない問題なのですが、書きます。
エージェントの転職活動支援が、点になりがちであることは、後継経営者のご支援において重めの問題と感じています。

「久しぶりに連絡をいただけてうれしかったです。実は継続して新天地の可能性を探っています」

”あの方がとてもフィットする経営ポジションだ!”と感じ、1年ぶりにご連絡をした際にいただいたメッセージです。

自省も込めて書きますが、この1年の間には、なかなかご連絡ができていない状況でした。

良い案件があれば、すぐにご連絡しますね、とお伝えしながら、
稀少性、機密性のある情報を、フィットした方のみにご連絡、ご相談をしているため、お待たせしてしまうのが現状です。

2回目以降の提案はほとんど無い、というお話をお伺いすることは少なくなく、多くのエージェントが経営者案件起点、点の活動支援になりがちだと感じています。

継続的にご連絡をとりあうことで、ご意向や経験を踏まえたよりよい企業のマッチングにつながる可能性が高まることは確かなのですが、なかなか実現できていません。
これまでの仕事の仕方、エージェント業の慣習をかえていき、双方にとってバランスの良い活動支援を目指していきたいと思います。


もし、”エージェントからなかなか連絡こないな、、”と感じている方がいらっしゃいましたら、積極的にご連絡をしていただき、うまくエージェントを活用、動かしていただけると良いと思います。


さて、1年ぶりのご連絡は、着実に前に進み、ついにご縁が結べそうな段階にきています。(次のコラムの際には、その結果をお伝えできるのでは、、と思っています)


きれいなキャリアにこだわりすぎ問題


「この時の失敗をどのように伝えればよいか、いつも悩んでいます。」


3点目の問題は、きれいなキャリアにこだわりすぎ問題です。

経歴書の中で、在籍年数が長いのに、なぜか記載の量が少ない企業の項目に不自然さを感じることがあります。
その企業時代のことをお伺いすると、目立った実績も出せず、失敗の連続で一番苦労した期間だったそうです。

すべての仕事を失敗もなく、常に成功させてきた方っていらっしゃるのでしょうか。


経営者として、予測してなかったことに対して向き合ったり、想定した結果がでない時に、どう向き合っていけるか。

失敗体験を乗り越えた経験、苦労した経験から、その向き合い方が見えてきます。


中小企業の経営者は泥臭く立ち回っていただく場面が少なくありません。
失敗、苦労した経験をたくさんもっていた方が、そういった立ち回る場面での対応の引き出しが多いとも感じます。

”失敗を伝えるべきか”と悩み、きれいな経歴書づくりや成功実績をアピールする面接準備よりも、”成功も失敗もしてきましたので、経営者として何とかします”と自信をもってお話をいただくことが大事だと思います。

失敗も含めさまざまな経験をしてきたことがみえる経歴書の方が、経営者として活躍いただけそうだと感じることがあります。
何事もオープンにすることができる度量、失敗体験を昇華させている方は、魅力的な経営者候補と感じます。

失敗した経験をどう使うか悩んでいる方には、是非逆にしっかりとお伝えしましょう、とお話をさせていただいています。


経営者を目指す転職活動は十人十色


転職活動事例や転職テクニックの情報も増えてきました。

そのような状況ですが、中小企業は会社ごとに状況がまったく異なりますし、後継経営者の選考方法や評価ポイントで画一的なものはありません。

今回、後継経営者が出会う3つの問題を書いてきましたが、こういった問題に向きあうために、うまくエージェントを活用いただきたいと思っています。(2番目の問題は、エージェントを焚きつけるぐらいで、いいのかもしれませんが…)

経営者を目指す転職活動は十人十色、絶対的な正解はありません。

より良い転職、キャリアをつくっていくために、転職活動さらには今後のキャリアのパートナーとなるエージェントを見つけていただけることを願っております!

ペルソナ株式会社
執行役員 鳴海 幸仁


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▼鳴海が書きました
閉店する地元のお店に寂しさを感じた転職コンサルタントが後継者不在の中小企業の経営者候補には想像力が必要と考えたわけ。
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