デザイナーのキャリアオーナーシップ探索プロジェクト第6弾~調査報告書「日本・台湾・韓国でデザイナーとしてどう生きるか、デザイナーとどう生きるか」公開
■「デザイナーのキャリアオーナーシップ探索プロジェクト」とは?
パーソルキャリア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:瀬野尾 裕、以下パーソルキャリア)の全社横断デザイン統括組織「NUTION(ニューション)」では、昨年度からデザイナーの活躍するフィールドを広げ、よりよいキャリア形成を後押しするため、「デザイナーのキャリアオーナーシップ探索プロジェクト」を開始しております。これまでに「高度デザイン人材」に焦点を当てたレポートの作成(調査報告書01、調査報告書02)や、デザイナー向けのキャリアオーナーシップ育成ツール「DESIGNERS ARE DESIGNING」の開発などを行ってきました。
■調査報告書「日本・台湾・韓国でデザイナーとしてどう生きるか、デザイナーとどう生きるか」概要
その第6弾として公開されたのが、調査報告書「日本・台湾・韓国でデザイナーとしてどう生きるか、デザイナーとどう生きるか」です。本調査は「今、活躍するデザイナーがどういったキャリアを思い描いているのか」を明らかにし、「グラフィックデザインを武器に、自身の仕事のみならず、社会における役割をどのように拡張しているのか」を紐解いていくことを目的としています。
前段となる調査報告書01、02では、「高度デザイン人材(デザイン・テクノロジー・経営のスキルや知識を高レベルで持ち合わせている人材)」と呼ばれるデザイナーを対象とし、彼らが自らのキャリアオーナーシップを自覚し、発揮するまでの変遷を紐解きました。しかし、今回の調査ではより具体的で、専門的なデザインを生業とするグラフィックデザイナーを対象としています。その理由は以下3点です。
「高度デザイン人材」をデザイナー全員のゴールとして掲げるには、習得するスキルや知識、経験的なハードルが高く、その道程が非常に長く困難なものになってしまっていること
「高度デザイン人材」が必ずしもすべてのデザイナーの生き方や、求めている姿ではないこと
1,2にもかかわらず、社会的に「高度デザイン人材」的なデザイナーが求められていく中で、我々がそれに捉われずデザイナーのリアルなキャリアのあり方を探索したかったこと
また、本調査では、日本とデザイン環境が近く、情報も得られやすい海外地域として、台湾、韓国も対象としました。海外の事例を調査することで、これまで知らなかった別の世界での「当たり前」を伝え、視野を広げるきっかけにしてもらいたいと考えています。
以降は、簡単に調査報告書の内容を抜粋してお伝えします。
■【CHAPTER 1:Interview「デザインを武器にサバイブするデザイナーたち」】
CHAPTER 1では、日本・台湾・韓国のアジア3地域で、グラフィックデザインを主軸としてキャリアを歩むデザイナー6組のインタビューをまとめました。
それぞれのデザイナーについて多面的に知ることができるよう、インタビューのハイライトとなるエピソードとともに、キャリア年表やこれまでに制作した作品も掲載しています。また、キャリアを「山を登ること」に例え、自分の山の発見法と、その登り方を、イラストを用いて類型化。さらに、3地域のデザイン業界に詳しい有識者による「各地域デザイナーを取り巻く環境」に関するコラムにより、インタビュー結果の背後にある各地域のデザイナーを取り巻く社会構造についても思考を馳せることができる構成としました。
●調査対象者(敬称略)
―日本―
加納 大輔
Kanaisasaki:金井 あき、佐々木 拓 Art Director
―台湾―
黃顯勛(ホワン・シエンシュイン)
O.OO Risograph & Design:盧 奕樺(ルー・イーファ)、劉 昱賢(リィゥ・ユーシィェン)
―韓国―
Paper Press
PANGPANGPANG
●コラム寄稿者(敬称略)
―日本―
見増 勇介(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
―台湾―
近藤 弥生子(台湾在住編集・ライター)
―韓国―
後藤 哲也(近畿大学文芸学部准教授/大阪芸術大学デザイン学科客員教授)
■【CHAPTER 2:Summary「地域にみる、デザイナーのキャリアオーナーシップに関する類似点・相違点とは?」】
CHAPTER 2では、6組のデザイナーから、自身のキャリアを支えるスキルをどのように身に着けたのか、また一緒に仕事をするパートナーについてのインタビュー内容をまとめ、比較することで見えてきた、今の時代における3地域のデザイナーのキャリアの類似点・相違点を紹介しています。
■【CHAPTER 3:Research「日本・台湾・韓国のデザインを取り巻く環境」】
報告書の最後のパートとなるCHAPTER 3では、各インタビューで得られたエピソードの背景を掘り下げ、地域ごとのデザインを取り巻く基礎情報を補足することを目的に、定量調査の結果をまとめました。3つの軸として「地域ごとの行政の施策」「教育のあり方」「デザイナーたちの価値観」を比較することで、各地域が「デザインをどのような形で評価しているのか」や、「デザインの活用をどのような形で促進しているのか」を紐解きます。
調査報告書のダウンロードはこちら
ぜひ詳しい内容が気になるという方は、こちらのページから調査報告書をダウンロードください。
▼第6弾 調査報告書「日本・台湾・韓国でデザイナーとしてどう生きるか、デザイナーとどう生きるか」
「デザイナーのキャリアオーナーシップ探索プロジェクト」 第1弾~5弾はこちら
▼第1弾 調査報告書「高度デザイン人材のキャリアオーナーシップの獲得要因」
▼第2弾 「地域デザイン人材にみるキャリアオーナーシップを育む環境要因」
▼第3弾 デザイナー向けツール「点と点を結ぶのための100のエピソードカード」
▼第4弾 デザイナー向けツール「DESIGNERS ARE DESIGNING」
▼第5弾 デザイナー向けツール「DESIGNERS ARE DESIGNING」活用事例