りんどう
「りうたんの花の色こそ咲きそむれなべての秋はあさぢふのすゑ」藤原定家
20代の頃、よくカヤックで川下りに行った。急流では落ちないように必死でそれどころではないが、緩やかな流れでは川べりの景色を楽しんだ。初秋は暑くも寒くもなく空は青く高く、好きな季節だった。どこだったか覚えていないが川沿いの茂みの中にたくさんのりんどうが咲いていた場所があった。少し前に見た「銀河鉄道の夜」というアニメの、汽車の窓から見えるりんどうが咲き群れるシーンと重なって感動した。一瞬で通り過ぎたのに、その景色はいつまでも脳裏に焼き付いている。