【調査】鬼高い!?企業のGHG排出量の『算定・報告・公表』はいくらかかる?
気候関連開示 — どれくらいコストがかかるのか?
2022年3月に米証券取引委員会(SEC)が気候関連開示の規則案を公表して、まず最初に関係各所から寄せられたコメントが、"規則案の要件遵守にかかるコストが高い"ということでした。開示初年度に必要な費用として、SECが提示した約53万ドル(約7000万円)を基準としたコメントです。
かなりお高いですね。では、実際のところはどうなのでしょうか?
パーセフォニと米非営利組織Ceresは、サステナビリティ専業コンサルティングの最大手であるERMサステナビリティ研究所に開示業務関連コストに関する調査を委託しました。その結果、企業が現在、気候関連の財務情報の測定、管理、開示にどの程度支出しているかが明らかになりました。
この結果数値を検討する上での一つ留意点としては、これらがあくまで過去と現在の状況を反映したものであるということです。つまり、今後、これまでのようなマニュアル作業ではなく、炭素会計ソフトウェアを活用する組織が増えれば増えるほど、気候変動開示のコストは、現在の数値よりもさらに低下することが予想されます。
ERMの調査(39企業、35の機関投資家の回答に基づく)によると、現在、企業が気候関連開示にかけているコストは年間平均53万3,000ドル(約7,000万円)でした。ちなみに、機関投資家が投資判断の材料としてデータの入手・分析にかけているコストは年間137万2,000ドル(約1億8,000万円)となります。
本調査結果の詳細は、調査の全容および要約ファクトシートでご覧いただけます(内容はすべて英語となります)。
炭素会計ソフト導入で、費用削減!それだけではない、 リスク低減のメリットも。
炭素会計ソフトを利用するだけで、金融庁の SECなどの規制や、その他機構開示業務にまつわる費用を削減でき、作業の負担も減ります。
今世界にはさまざまな開示・報告規制が存在しますが、報告元である組織としては、炭素会計に財務会計と同様の確信を持って取り組める状況を作ることがを重要です。その点においても、ソフト(テクノロジー)の活用は有効というよりもむしろ不可欠となります。報告先機関や、投資家などのステークホルダーからの信頼度も向上するでしょう。別の視点でみると、不備のあるデータを公表することで起こり得る、データ報告元組織の訴訟リスクを低減させることにもつながります。
以下、炭素会計導入によるメリットをもう少し具体的にみていきましょう。
ソフトウェアは信頼性と一貫性に優れ、しかもコストを低く抑えられます。
ソフトウェアは本来複雑な炭素会計プロセスを簡素化する上に、報告・開示内容の精度・正確性を高めます。経営陣や投資家は算出データを有効活用し、資金調達の機会・リスクなどを分析することが可能です。
ソフトウェアを利用することで、炭素会計プロセスの履歴もデータとして管理でき、監査や認証を成功させる際の有効な情報となります。温室効果ガス排出データの監査がスムーズになり、監査にかかっていたコンサルなどのコストも削減できます。
ロイターが行ったフィンテックとレグテックに関する企業調査では、「金融テクノロジーにどのようなメリットと価値を期待するか」という質問に対し、”効率の改善”、”意思決定の透明性向上”、”コスト削減”といった回答が上位を占めました。パーセフォニのような気候管理・炭素会計プラットフォームを活用することでも、同様のメリットを期待できるでしょう。
開示するだけではダメ!虚偽にはペナルティ vs 正確な開示で大きなリターン
開示要件を遵守しなかったり、虚偽の開示を行ったりした場合、そのコストは遵守した場合よりも格段に高くつきます。信頼できるソフトウェアを活用して、こうしたリスクを減らしましょう。
SEC規制案、カリフォルニア州の気候法案、そしてEUの気候関連規制など、適用が目前に迫った規制を遵守するために、企業は厳密な炭素会計を行わなければなりません。テクノロジーを駆使したソリューションを活用すれば、要件に準拠した適切な開示報告をスムースに進めることが可能になります。
規制遵守を怠った場合に発生するコストは、遵守した場合よりもはるかに高額です。例えば、トヨタ自動車は、販売車両の排気ガスに関わる開示情報が不正確だったとして、2021年1月に罰金1億8,000万ドル(約240億円)を科されました。
Amazonは2021年、一般データ保護規則(GDPR)違反を理由に、罰金7億4,600万ユーロ(約1兆円)を、そして、WhatsAppは2億2,500万ユーロ(約320億円)を科されました。
一方、一般データ保護規則(GDPR)に準拠するための事前投資を怠らなかった企業は結果的に大きなリターン(利益)を得ています。シスコが2020年に実施した調査によると、回答企業の40%は、プライバシー保護のために行った支出に対し、2倍以上の利益があったと回答しています。つまり、プライバシー保護のための事前投資1ドルにつき、平均2.70ドルの利益を得たことになります。
先駆者は知っていた?!『気候変動戦略』が大きなリターンを生む時代。
数多くの企業が以前に比べて、気候戦略の重要性を認識するようになっています。気候関連情報の管理と運営には大きな経営的機会が存在しているからです。
テクノロジーを駆使したコンサルティング企業大手のフォレスター社の総経済効果(TEI)フレームワークによれば、サステナビリティ関連事業での5年間の投下資本利益率(ROI)は33%となっています。その中で、5年間の規制遵守がもたらす利益が37万ドル(約5千万円)にのぼっています。フォレスター社は次のようにコメントしています;「我々のモデルでは、3年目以降のリスク調整後の規制遵守利益は、低く見積もっても年間18万ドル(約2千5百万)と想定しており、そうすると、5年間では約37万ドル(約5千万)程度の現在価値が生まれることになります」「サステナビリティは最適化やイノベーションと同義です。サステナビリティへの取り組みの結果、最適化を実現できることが珍しくありません。これがビジネスに価値をもたらすことは明らかです。サステナビリティ投資が利益を生む背景には、社内外の両方の要因があります」
ニューヨーク大学サステナブル・ビジネス・スターンセンターが行ったメタ解析調査は、企業におけるESG関連の実績と株価動向、経営効率、資本コストの低下の間に正の相関があることを突き止めました。この調査結果は、2015~2020年に公表された1,000あまりの事例に基づいています。
気候関連の開示に伴うコストとメリットをさらに考察したいあなたは、パーセフォニのサステナビリティ・アドバイザリーボードのメンバーであるロバート・エクレスの論文(フォーブス掲載)をご覧ください(英語)。
パーセフォニは何が違うの? GHG排出量算定・可視化・分析を、早く、簡単、精確に始められます。
GXにDXをモットーに、早くて簡単なのは当たり前だと思っています。我々の強みの一つ、『精確性』については、特に自信があります。
パーセフォニでは、GHGプロトコルに基づくスコープ1, 2, 3の全スコープを範囲(カテゴリ15の投資領域含む)とした温室効果ガスインベントリを作成できます。GHGプロトコルは、今や世界の炭素会計の基準となっており、SECもこの基準に基づいて規制作成の検討をしています。パーセフォニのプラットフォームを使うと、企業は炭素排出量の算出業務を自信を持って進めることができます。
パーセフォニは、各算出プロセスを透明性の高い”台帳”として管理・表示可能なので、監査や認証にも安心感を持って対応できます。
パーセフォニは、ワーキヴァ社、ベイン・アンド・カンパニー、CGIといったパートナーとのコラボレーションや、エキスパートで構成されるパーセフォニのサステナビリティ・アドバイザリー・ボード(SAB)の助言のもと、世界各国の規制当局や投資家の間で高まる期待に企業が全面的に応えられるよう支援しています。例えば、SEC財務書類管理・報告プラットフォームのマーケットリーダーであるWorkiva(ワーキヴァ社)と提携し、単一のクラウドソリューションによってSEC報告を簡素化するエンドツーエンドのソリューションを提供しています。このパートナーシップのもと、お客様は炭素関連開示と財務開示を単一プラットフォームで管理することが可能になります。
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パーセフォニは、気候管理・炭素会計プラットフォーム(CMAP)のリーディングカンパニーです。当社のSaaS型ソリューションを利用することにより、企業や金融機関は、ステークホルダーや規制当局が求める気候変動に関する情報開示を、高い信頼性、透明性、利便性をもって行うことができます。パーセフォニのプラットフォームは、「炭素分野のERP」ともいえます。炭素管理の一元化を実現し、企業は従来の経理業務と同様の厳密さと信頼性をもって、炭素会計・管理業務を進めることができます。
いかがでしたでしょうか。気候変動に関する情報開示はもはや義務と言っていい状況になりつつあります。正しいやり方でリスクを回避し、ビジネスメリットを得られるよう、炭素会計ソフトを活用してくださいね。
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