私の生理

「あ、それTwitterで見たけどさ〜」

生理来ちゃった、と伝えた時に彼から言われた一言。この次に来る言葉が何だったかは思い出せないけれど、どうもこの“Twitterで見た”というフレーズが引っかかっていた。

仕事の愚痴も友達の事も、彼とは割と何でも大っぴらに話す方だと思う。もちろん生理のことも、愚痴のような面白話しのような感覚で、日常会話として報告している。特に意味は無いが、強いて言うなら口に出す事で「この痛みも精神症状も全部生理のせいだからしょうがないよね」と自分に言い聞かせるためだ。

(生理前中後の症状ってほんとに人それぞれだから)私の場合、重い時は生理前3～4日から月経前症候群(PMS)が始まる。主に精神症状。ネガティブな性格が相まって漠然とした不安と焦燥感に襲われる。
この不安との戦いの最中、追い打ちをかけるかのように魔の1週間がやってくる。1日目〜3日目は下腹部痛と頭痛、浮腫み、肌荒れ、食欲減退、低血糖状態で最悪。鎮痛剤の効きは五分五分であまり頼りにならない。
痛みが軽減する4日目。お腹がゴロゴロキュルキュルと鳴く。なるほど、次の戦場はトイレか。
ようやく落ち着いた頃に最後の一撃がやってくる。生理後3日間程続く精神的不安。丁寧に積み上げた感情を私の中の小さな私が散らかしたまま放ったらかすから、再度積み上げるのに時間が掛かる。

一言でまとめると、「最悪」ってこと。

ここまで詳しく説明しようとすると、「Twitterで見た事あるし、そんなの別にいいよ」なんて言われるから寂しい。SNSで見てる世界なんてほんの一部に過ぎないのに。

生理とは厄介で「病気」ではない。毎月やってくるこの不穏な1週間に病名が付いたら、ほんの少しだけ逃げ道が出来て楽になるだろうに「生殖器の生理機能」で、むしろ定期的に来ない方が異常とされる。
無意識下の出血、唐突な腹痛や頭痛、浮腫み、体内ではホルモンのバランスが崩れているとか何とか…この最悪な周期を病では無いとするならどこに助けを求めていいのか分からない。


女の人限定っていう所も厄介だ。いくら言葉で伝えても全てを理解してもらうのは難しい。普段は優しい彼だって、「でも男には分からん所もあるしなぁ」なんて言葉が出てしまう。そんなの私にだって分からない。

分からないから助けて欲しい。そんな、Twitterでどこの誰だか分からない人が発信したものを鵜呑みにして欲しくない。
「あなたの風邪はどこから？」なんてCMのキャッチフレーズ的なものがあるように、私の生理とあの子の生理は似て非なるもので、結果は同じでも症状はまるで違う。私を見てほしい。

私の生理のプロは私なのだから。