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フェムテックTOKYO
今回は、2023年10月19日(土)に開催されたFemtech Tokyo(フェムテックトーキョー)にメンバーの山野と河野涼香が行ってきたのでそちらのレポートを書いていきます!ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
1.はじめに
皆さんは「Femtech(フェムテック)」という言葉を聞いたことがありますか?
Femtechとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせてできた造語で、「生理・月経」「妊活・妊よう性」「妊娠期・産後」「プレ更年期・更年期」など女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決するための製品やサービスのことを指します。例えば、月経カップや月経管理アプリ、不妊治療、更年期のケア商品などが挙げられます。最近ではUNIQLOやGUでも低価格帯の月経用吸水ショーツが発売され話題になりました。
一方でテクノロジーに依存せず、さまざまな方法で女性特有の健康課題をケアする製品やサービスを「フェムケア」と呼びます。フェムテック・フェムケアは女性の体をもつ人に焦点をあてています。しかし女性に限らずみんなが自分の心身の健康と上手く向き合い心地よく過ごしていくために、健康課題や悩みを技術やサービスの手を借りて解決していくことは、これから益々重要になっていくのではないかと思います。
Femtech Tokyo(フェムテックトーキョー)は、国内最大級のフェムテック関連の展示会で、フェムテック・フェムケア製品を扱う企業がブースを出展していたり、セミナーや体験会が実施されたりしています。一般の人でも無料で参加することができ、最新の情報や商品サンプルを手に入れることができます。
2.気になったブース (山野)
山野と河野がそれぞれ気になったブースやものを取り上げて紹介していきます!フェムテック商品と言っても、生理用品から下着、マッサージ機、セルフプレジャーアイテム、膣洗浄商品、がん検診など様々なブースが展開されていて、私たちは全ブースを6時間ぐらいかけて回りました。ブースにいる社員の方と気軽にお話や質問もすることができとても充実した時間でした。
・使い捨て国産月経ディスク
MOLARAが出展しており、国内初の使い捨て月経ディスクが売られていました。生理になってしまって、旅行やプール、運動などプライベートな予定を諦めるという経験をしたことがある方も多いかなと思います。そんな時に月経ディスクを使用すれば、生理の不快感や漏れる不安から解放されることができます。月経ディスクは月経カップよりも薄く、柔らかいのでフィットしやすいことが特徴です。このように新しい生理用品が開発されて、生理当事者の生理中の選択肢が増えることで、生理と上手く付き合っていけたらいいですね。
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・カウンセリング
フェムテックトーキョーと同時に女性のメンタルヘルスケアEXPOも開催されており、Take Flight Laboというカウンセリングやキャリアコンサルティング、ヒーリング、コーチングなどが体験できるブースもありました。実際に2人でカウンセリングを受けました。カウンセリングを受けると、第3者に自分を捉えなおしてもらうことができ心がスッキリしました。カウンセラーの方に「陰ながらですけど心から応援しています、本当に頑張ってほしい! 」と言っていただいて心があたたかくなりました。私は誰かに自分の話を聞いてもらうことや相談することに抵抗があったのですが、実際にカウンセリングを受けてみて、メンタルヘルスのためにももっと気軽にカウンセリングを受ける機会が広がってほしいなとカウンセリングに対する捉え方が変わりました。
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・海外の生理用品
アメリカやニュージーランド、台湾、スペイン、イギリスなど世界各国の生理用品も展示されていました。アメリカの生理用品はトイレットペーパーの形で繰り出す式になっていました。他にも雑貨店に売っていてもおかしくないようなパステルカラーでかわいいイラストが描かれた物が多く、持っていてうきうきするなと思いました。日本の生理用品は個装だと花柄やハート柄のものはありますが、パッケージはthe生理用品というものが多いので、持ち運びが楽しくなるようなパッケージがあると、選ぶ楽しさが生まれて生理用品に対する抵抗感も軽減されそうです。
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・生理痛体験
今回私たちは生理痛体験をすることはできなかったのですが、前日までに生理痛体験をしてみた人の感想が分かるようにボードが掲示されていました。
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A.「想像よりもつらい」が半数以上です
Q2 普段健康な状態でのパフォーマンスを100%としたときに、生理痛などがある場合はどれくらいになりますか?
A. 0%~50%の人がほとんどです
私の生理痛を言葉で表現すると、お腹が絞られるような痛みで(これは子宮が収縮し子宮内膜を外に出そうとすることで起こります)ひどい時はお腹を抱えて動けなくなります。しかしずっと痛いわけではなく、生理の1~2日目は動けないような強い痛みがでることもありますが、軽い時はなんだかお腹に違和感がある程度です。みなさんこの文章を読んで生理痛とはどのような感じが想像することができたでしょうか?おそらくいまいちピンとこない方もいると思います。 このように生理痛は表現するのが難しく、さらに人によっても痛みの強さや特徴が異なるので、生理非当事者や生理痛の軽い方に生理痛を理解してもらうのは大変です。この表からも読み取れるように、生理痛は思ったよりも辛いしパフォーマンスもかなり落ちると感じる人が多いのです。社会ではまだまだ”生理痛ぐらいで”授業休むの?会社休むの?と心無いことを言われたりするかもしれません。もちろん生理痛のしんどさを想像することが第一歩ではありますが、生理痛を日常的に自分の体で感じている人とは大きな壁があります。その壁を少しでもなくしていくために、生理痛体験をより気軽に誰もができるようになってほしいです。当団体の男性メンバーが生理痛体験をしてみたという動画が近日、団体YouTubeチャンネルにてあがる予定なのでぜひ見てみてください!
・妊婦体験
妊婦体験ができるブースがあり、3kgと10㎏の重りを付けて床に落ちている靴下を拾ったり重い荷物を運んだり立ち座りをしました。下の写真のように体に密着したリアルな重りを着けることができます。体験してみて、少しの動作でもゆっくり慎重に動かないと怖かったです。普段は当たり前のようにしている床にある物を拾うという動作は10kgの重りをつけるとできませんでした。傍から見たら当然できるだろうということも、妊婦さんにとっては出来なかったりかなりしんどい動作になるということを身に染みて感じました。生理痛体験と同様に誰もがするべき体験だと思いました。妊婦さんや生理当事者だけに限らず、障害のある人や高齢者、体調のわるそうな人など町で出会ったら席を譲ったり一声かけたりと小さな行動の積み重ねで優しい世界を広げていきたいです。
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・イベント全体のレイアウト、装飾など
団体として生理や性の知識を発信するイベントを行っているので、フェムテックトーキョーのイベント会場の仕掛けにも注目してみました。
まず入ってみて来場者が自分の気になる分野のリボンを結ぶブースがありました。私たちは主に生理を中心に活動している団体なので、ピンク色のリボンを結んできました。来場者の方にフェムテックイベントの一員であるという意識とこれからどんなフェムテックに出会えるのだろうというわくわくを持ってもらえるとても素敵な仕掛けだと思いました。また会場には休憩スペースやパソコン作業ができるスペース、飲食ができるスペースなど多くの人が思い思いに過ごせるような空間づくりがされていました。
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3.気になったブース (河野)
・おりものシートバー
小林製薬のブースでは、おりものシートについての展示が多くあり、おりものシートを持って帰ることのできる通称「おりものシートバー」を設置していました。おりものシートの中でもTバックの下着に着けるための製品や、大きめで安心感のある製品など様々な種類があり、それらを一つずつ手に取って持って帰り、試すことができます。また、小学校での性教育で生理については習うものの、おりものについてはなかなか知る機会がないという現状があり、おりものについてのガイドブックも配布していました。
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ふと足元を見ると、床に「つわりなんて甘え?」「性について口に出すなんて下品?」という言葉とともに「バイアスを踏みつぶせ!」と書いており、この言葉には私もすごく共感したので、しっかりバイアスを踏みつぶしてきました。
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団体内で知識発信を担当している私としては、特に小中学生などをターゲットにした商品が印象に残りました。初めての生理に備えたハンドブックとともにナプキンや生理用ショーツをかわいいギフトボックスに入れた商品は教育として最適ではないかと思い、私も小学生の時にこういうのが欲しかったなと思ったりしました。
・更年期の展示
更年期についての展示も多くあり、女性が生きていく中でやはりフェムテックについての知識は必須なのではないかと思いました。特に、女性の管理職が現状の日本に少ないということは知っていたけれど、その原因の一つとして管理職になるような年齢と更年期が被ってしまうということがあるというのは今まで思い至ったことがなく衝撃だったけれどとても納得したので、女性の社会進出のためにはこういったことに思い巡らせることが必要なのではないかと思います。
4.終わりに
会場は多くの人で賑わっていてわいわいとしていました。来場者はフェムテック関連の企業の人、エステや美容系のサロンの経営者など業界の人が多かったです。一般の人となると30~50代の方が多く、私たちと同じ年代や大学生はほとんど見ませんでした。若い年代の方がフェムテックに関心が高いと思っていたので意外でした。
ほとんどのブースで、質問やアンケートに答えた人にサンプルを配っており、コンドーム、ハンドクリーム、シェイバー、膣洗浄商品などなどたくさんのサンプルをいただきました。ショーツや月経ディスク、雑誌など個人向けの商品もある一方で、マッサージ機や医療器具など業者向けの商品も多く取り揃えられており知らなかったフェムテックに出会えることができました。
これからこの商品を売り出していきます!というように最近フェムテックに参入した企業も多く、フェムテックが広がる未来に期待感が高まりました。しかしショーツや温活、膣トレなど色々な商品やサービスが入り乱れていて、私個人としてはフェムテックって何だろう?と疑問に思いもやもやする場面もありました。
このようなフェムテックをはじめ、人間の心身の健康をサポートする企業や社会の流れがこのまま続いてほしいです。しかしフェムテックも万能ではないので、自分自身でその商品やサービスはどんなものなのか、どんな効果が期待できるのか、その根拠はなにかなどを理解した上で使用することが必要だと思いました。当団体としても、生理当事者が生理と上手く向き合っていけるよう、また生理への理解を広げられるようフェムテックについての情報発信も継続して行っていきます。
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