月詠み調香師Chiyo

Ablxs(アブラクサス)ブランド ディレクター。 「目に見えない」香りというプロダクトをディレクションする際に、ライター時代に培った言語による表現力、時代背景を捉えたテーマ選びなどにセンスが光る。 20歳の頃から研究を深めてきた占星術の要素をフレグランスにも取り入れている。

月詠み調香師Chiyo

Ablxs(アブラクサス)ブランド ディレクター。 「目に見えない」香りというプロダクトをディレクションする際に、ライター時代に培った言語による表現力、時代背景を捉えたテーマ選びなどにセンスが光る。 20歳の頃から研究を深めてきた占星術の要素をフレグランスにも取り入れている。

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『調香師が教える「香り」の処方箋』始めます

ごきげんよう。 月詠み調香師のChiyoです。 この度、『調香師が教える「香り」の処方箋』と題して、 Chiyo的にアロマ・香料素材のエネルギーを“香りの翻訳家“として、 (あくまで)独断と偏見で翻訳してお伝えしていくnoteを始めました。 調香師、フレグランスブランドのディレクターなど、 香りに纏わるお仕事を気がつけば10年以上やってきました。 その中で、 Chiyoさん的な分類?やどのようなエネルギーを感じて それぞれの香料を選んでいるのですか?とよく聞

    • ジュニパーベリー〜新時代の考え方を手にしたいとき〜

      ジュニパーは人類が最初に使った植物?!今日から冥王星が水瓶座入りし、「真・風の時代」になったと占星術の世界ではいわれていますね。 私が一番水瓶座らしいなと感じる精油、それはジュニパーベリーです。 何故かというと、クレバーな雰囲気を持っているから…それだけと言ったら怒られそうですが、「クレバーそう」なだけでない、本当に「頭脳」と関連のあるエピソードがあります(笑) ジュニパーベリーは人類が最初に利用した植物の一つと言われています。 古くから、魔除けとして用いられたり、宗教

      • プチグレン〜人と違った個性を醸し出したいとき〜

        今までに嗅いだことのない柑橘、プチグレンの魅力 調香の学校で初めに習ったのは、シトラスノートの嗅ぎ分けでした。 レモン、オレンジ、ベルガモット… それらはどこかで一度は嗅いだことのある香りだと思います。 けれども、プチグレンは違いました。 これまで嗅いだことのない、苦味とフレッシュさを併せ持つなんだか大人の魅力を持つ柑橘、それがプチグレン。 この素材をどんな風に料理(調香)できるのか…力を試されているような、なんだかワクワクした気持ちを今でも覚えています。 変わった部位か

        • バジル〜太陽をたっぷり浴びた溌剌としたリーダー〜

          バジルは王様の植物バジルの学名Ocimum basilicumはギリシア語で「王様の植物」という意味を持つbasicikonに由来します。 また、これは定かではないのですが、イタリアで教会に行くと名称を「バジリカ」というところが結構あり、何らかバジルと関係しているのではとずっと思っていました。調べてみたところ…やはり語源はおそらく一緒で「王」の意味を持つギリシア語の“basileys”からきていると考えられるそうです! イタリアではなんでこんなに教会に色々呼び名があるんだ

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          ヴァニラ〜誰かを酔わせたいときに〜

          ヴァニラはフェティッシュな存在?! 現在は板チョコなどの香り(味)着けにも使われるヴァニラの香料。プレコロンビアの時代には、アステカ人はココア(というか多分ホットチョコレート?)の香りづけにも使われていたという、古くからの歴史を持つヴァニラ。 食欲増進や消化を助ける作用、さらには強壮作用や催淫作用まであるといわれている。これってもはや媚薬では?という存在かと私は思っています。 その見た目も良く見ると身体をしならせるように佇む様がエロティックというか、そもそもが蘭の一品種の

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          クラリセージ〜密かな色気を醸し出したいとき〜

          クラリセージは色気をほのかに演出できる 天然の精油だけで調香される方って最近増えていますよね。 私も7年以上前に調香の専門学校のアシスタントをしていた時に、アロマを扱う方々に向けて、「アロマ調香」の授業を持たせていただいていたことがあります。 精油だけで調香しようとすると一番困ることが、「アニマリック」な香りがない=香水らしい色気を出すことが不可能に近い、ということです。 そんな中、天然精油を使って色気感を出す裏ワザとしてお教えしていたのが、このクラリセージをうまく使うと

          クラリセージ〜密かな色気を醸し出したいとき〜

          ジャスミン〜清濁併せ呑む王者の風格〜

          ジャスミンはブランディングの達人?!知っていましたか? ジャスミンのキー成分は、人間や動物の糞臭にも含まれるIndole(インドール)というかなーり臭いにおいなんです(笑) でも、それが程よい濃度になることで、えもいわれぬ芳しさの鍵となります。 そんな、不快ともいえる「陰」な部分を自身の独自の魅力に変えてしまうという、ある意味「自分の活かし方」をよく知っている、ブランディングの達人が、この王者ジャスミンです。 そんなことから、自分の隠している「陰」な部分を、個性に変えて

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          パチュリ〜マチュアな魅力を醸し出したいとき〜

          パチュリはワインのように熟成させてつくられるパチュリの魅力はなんといっても、しっとりと積み重なった落ち葉のような、 豊かな成熟感にあるといっても過言ではないでしょう。 パチュリの生の葉っぱにはそれほど香りはないのだけれど、 精油を採った後、発酵のプロセスを踏むことで、その魅力は開花します。 ワインのように熟成させることで、そのふくよかな香りが生まれるというのが何よりの特徴で、ずっと嗅いでいたくなるような複雑なウッディノート。 何を隠そう私の一番好きな精油であることは間違

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          ベルガモット〜人生に艶を取り戻す香り〜

          ベルガモットといえば、調香師目線で見ると、 実は香水の素材として欠かせない香り。 ベルガモットは香水に「艶」を出すのに欠かせない レモン、オレンジなどの柑橘は「ザ・柑橘!」というかんじで、爽やかさはあれど香水らしい色気というのは持ち合わせていないのです。 けれども、ベルガモットはフローラル感をほのかに感じされるような独特の艶(ツヤ)があるため、シトラスオンリーのオーデコロン(パシャパシャと沢山浴びるように使えるもの)にも、ほんの少しベルガモットを加えるだけで、一気に艶やか

          ベルガモット〜人生に艶を取り戻す香り〜