【医療・薬物治療】コンプライアンス&アドヒアランス&コンコーダンス
患者さんの治療や服薬への向き合い方をあらわす
✅コンプライアンス
✅アドヒアランス
✅コンコーダンス
3つの違い、わかりますか?
これらの違いがわかると
患者さんの治療に対する姿勢や
理解のレベルによって
同じ薬でも説明のしかたが変わってきます。
では、服薬や薬物治療に対する考え方の
3つをまとめてみましょう。
✅コンプライアンス(compliance)
医療者が治療方針を決定し
当事者(患者)がそれに従う行動をとること
患者さんがその治療にどう感じているかは関係なく、
単純に『用法用量どおり服薬できるか』を評価します。
用法用量通りに服用できていれば
⭕コンプライアンス良好
服用忘れや、用法が間違っていれば
❌コンプライアンス不良
と評価されます。
✅アドヒアランス(adherence)
当事者(患者)が治療に対して
積極的・前向きな考えをもつこと
患者さんがその治療方針に納得し、
薬の作用や副作用を十分に説明されて、
患者さんが主体になって服薬を行うということです。
主体となって服薬を行うとは、
例えば体調変化が起こった場合に、
患者さん自身が薬を服用するかどうかなど、
判断し対応をとれるということです。
血糖が下がりすぎたらどうする❓
➡ブドウ糖を摂取します❗
血が止まりにくくなったらどうする❓
➡すぐに相談・報告します❗
痛みが軽くなってきたらどうする❓
➡減量・頓服に変更します❗
などなど、体調変化や薬剤によって
いろんなパターンがあります。
✅コンコーダンス(concordance)
当事者(患者)の考えと医療者の考え(治療方針を含む)が
一致するように両者の考えを尊重しあうこと
病気のリスクと治療効果、治療計画、副作用、
費用対効果、服薬忘れへの対応、患者の生活習慣
などを共有し、意見を一致させる必要があります。
例えば、A・Bと薬があって
◾医学的にはAがファーストチョイス
◾患者さんの背景や気持ち、副作用の考え方ではB
➡それぞれのメリットデメリットを理解したうえでBを選択。
✅まとめ
服薬や薬物治療に対する考え方は
✅コンプライアンス
用法用量どおりに服用できるか
✅アドヒアランス
体調変化に応じて患者さん自身で対応できる
✅コンコーダンス
治療方針を患者さんと決める
いっけんすると、コンコーダンスを目指すことが
一番いいように思えますが、
かなり難しく、誰でもできるわけではありません。
また単純に
コンプライアンス < アドヒアランス < コンコーダンス
というわけでもありません。
患者さんの背景や状況によって
使い分ける必要があります。
患者さんによっては、
◾アドヒアランスよりコンプライアンス
◾コンコーダンスよりアドヒアランス
に重点を置くべき場合もあります。
例)理解度が低い場合
まずは服用できることが大事。
いろいろ説明しても情報を理解しきれず
アドヒアランスどころか誤った服用をしてしまう恐れがあります。
例)治療方針は医療者に決めてほしい
最低限の理解として、こんな場合は、こんな対応をしてね。
患者さんは治療を決めることを希望していない場合もあります。
その場合はアドヒアランスだけでも高めましょう。
理想がすべての人に当てはまるわけではありません。
しかし、できればアドヒアランス、コンコーダンスを目指したいですよね。
1回の服薬指導で全てを説明する必要はありません
患者さん背景や状況を確認し
ステージに合わせた服薬指導を行うかが大切です。
服薬指導は難しいですが
一緒に頑張りましょう❗❗