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罌粟粒とはよく云ったもの
あまりにも小さいので、落ちると何処に往ったか判らぬケシの種子。
一所懸命集めたものが全てでは無かったそして苗床を作り実生に取り組んで試行錯誤したのにそこら辺に芽吹いてくるとは思いもよらずその逞しさを思い知らされた。
そう云えば、何十年か前。肥料等に混入してたケシの種子が発芽し果樹畑のあちこちで生長し花を咲かしてた。ある日、警察屋さんが‘そこかしこに生えてるのはケシではないか;抜かないのか;’と訊いてきた事があった。
広い農園の所々に咲いているそれらを抜くだけの労力は無駄だし、その生えていたケシの芥子坊主はあまりにも小さくアルカロイド樹脂を採取するなんて何万本必要なのかと。近頃は有機溶媒で浸出出来るらしいがわざわざやる意味も無く。なので彼らには‘頼んでないのに生えて来るわ肥料盗られるわで迷惑してるから代わりに抜いておくれ’と伝えたら苦笑いしながら去っていった。
のどかな田舎だったからそれで終わったけれど、今じゃSNS等で騒ぎ立て事を煽る輩がいるからやれやれだ。
さて件のこちらは、もともと親株が植ってた鉢。親が枯れしばらく後、菫が芽吹いて来たのでそのまま育てていたら年明け頃から芽吹き出した。
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近くない場所だったのに、左下に芽吹いている。このままの同居はKewa salsoloidesが追いやられるだろうから移植しよう。
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勿論、法的に問題ないケシ。春には黒い花を咲かせてくれるでしょう。けれども、頑張って実生した苗達よりも勝手に芽吹いた彼等の方が良く育ってるのは、一体どういう事だろうか。
Papaver macrostomum ‘Black Magic’