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虫の声が聴こえてくる

まだまだ日中は暑いものの日が暮れると暑さは幾分和らぎ、明け方には少し肌寒い位になってきた。

ここ数日の月明かりは眩しく足元に目をやると、くっきりと影があり今よりもっと涼しかった幼少期の秋の夜を思い出した。

今はもっぱら酒ばかりだが夜に団子を食べたのは、いつ以来か。

この辺りには、ススキも無く何処からか虫の声だけが聴こえてくる。ススキの野は肌寒い風のせいか何処か物悲しい音がしてて、葉は不用意に触れると剃刀の様に手を切りやがるから、いつも足で根元を踏みながら野の奥へと分入ったものだった。良い声で鳴く虫を捕まえに入るのでも珍しい草花を探しにでも無くただただ隠れる為に、。、

誰からも視えない中じっと身を潜めているとこの世に人は、自分だけしか居ない様な錯覚になり他に居るのは虫ばかり。悲しい様な嬉しい様な不思議な夕方は秋にしか味わえない。今の自分がやると下手をすれば警察屋さんがやってくる可能性があるから、子供の特権だろう。


今年は、もう一つの芽の生長は望めそうにない。このまま休眠を迎えるだろうが夏の間ずうっと遮光されてたから心配だったがなんとか乗り切れそうだ。

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Adenia ovata

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