恥ずかしそうに俯くのか…ピカピカの1年生
あれは小汚いジャージだった。着用感が高く、モヘア的に毛羽立っている。ズボンは紺のパンタロンタイプのジャージ。もちろん毛玉で細かい水玉みたいだ。
そしてこれを着用しているのは、男。ん~50代か60代。痩せてはいるが、顔が大分浅黒い。日焼けじゃない感じの色黒。イカツく無いのに、イカツい系の歩き方が4割くらい入っている。顔は真顔、いや、むしろ少し怒っているんじゃないかってくらいの3割くらい険しい顔。髪はボサっとしているが、禿げてはない。黒髪だった。
そして右手には幼児の手を握る。新小学生だろか?新しい通学帽と制服?公立で制服あるのかな?ちなみに女の子。
正面から歩いて来るのを見た時は、誘拐??と思うくらいアンマッチで。でも、女の子供は喜んでないながら、嫌がってもなさそうだったので、ジイジと孫だったのだと思う。ま、子供でもイイけどさ。
この女の子が通学帽のつばで顔が見えない、俯いているんだ。すれ違いざまに少し顔を見たけど、楽しそうじゃない鼻が見えて、口はしっかり閉まっていた。
恐らく、おじいちゃん(もしくはパパ)と歩くのが恥ずかしいのではないか?そう思えてならなかった。僕はこのジイジと歩くの少しヤダなって思ってしまったせいもある。(思い切って断定しちゃうが)小学生の子供でも、肉親を恥ずかしいって感情があるんだ!というのに驚いた。
同時に思ったのが、一体恥ずかしくないのはどんな肉親なのか?
パッと浮かぶのが…
チンチクリンだけど若いカッコしてるお父さん。時計が何か有名な海外ブランドで車がアウトドア使用。お母さんは髪の毛1つに束ねてて、アウトドアブランドをサラリと着こなし、気を使ってない風だけどいつも小綺麗でダンガリーとかデニムシャツがお似合。子供にはムダにビームスとか着せたがる。
生活力のあるチンチクリンは綺麗な嫁さんもらったりするんだよな…チンチクリンのくせに!え?はい、認めます、偏見ですね。
恥ずかしくないってことは、自分の親を自慢したいってことだよね。子供の基準で自慢したいってなんだ。…いや、子供の基準も親から作られるから、部長だとか、持ち家だとか、IT企業だとか、そういう事が自慢なのかもね、子供も。
「ウチのお父さん、ユーチューバーなんだぜ!」
というのが、現時点でイケてることなのかわからないが、立派だとは思う。一方で、「平野くんチのお父さん、ユーチューバーなんだって!スゲー!」と子供に言われた親はどう思うのだろうか?昭和の母ならば「あなたのお父さんは、すごく大変なお仕事して、あなたにご飯を食べさせているのよ。ウチのお父さんはもっとすごいのよ」というだろか。
現在はどうなんだろ??「ユーチューバー?そんな未来が見えない仕事、ダメよ。今と同じネット広告が無くなっちゃったら、ただのオモシロおじさんになっちゃうのよ」なんていうのだろうか?そうなると子供は「平野のおとうちゃん、ただのオモシロおじさんなんだぜ!」と翌日学校で言いフラすのだろな…なんか複雑です。
アニメでは、まるで親なんかいないかの様な子供の世界が描かれるのもわかる気がする。難しいものね、伸び伸びしないものね、親子感って。
最近母親の日記を見たら、お金と姉と父の話しか書いてなくて、ITOはさぞかし手の掛からない息子だったのだな、と思うのでした。
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