小川哲『ユートロニカのこちら側』感想 流れに逆らう生き方も結局流れの中にある
内容(「BOOK」データベースより)
アガスティアリゾート―マイン社が運営するサンフランシスコ沖合の特別提携地区。そこでは住民が自らの個人情報―視覚や聴覚、位置情報などのすべて―への無制限アクセスを許可する代わりに、基礎保険によって生活全般が高水準で保証されている。しかし、大多数の個人情報が自発的に共有化された理想の街での幸福な暮らしには、光と影があった。リゾート内で幻覚に悩む若い夫婦、潜在的犯罪性向により強制退去させられる男、都市へのテロルを試みる日本人留学生―SF新世代を