スターバックの本棚・あふれでたのは やさしさだった
「あふれでたのは やさしさだった」
寮 美千子著
西日本出版社
明治の名煉瓦建築を見たくて、奈良少年刑務所を訪れた寮 美千子さんは、ひょんなことから、受刑者たちへの授業を頼まれてしまいました。
どんなに恐ろしい人々だろう、と思ったが目の前に現われたのは、虐待や貧困などで心に傷を抱えた繊細な少年たち。加害者になる前に、被害者であった子ばかりでした。
固く閉ざされた彼らの心の扉が開かれたとたん、あふれでたのはやさしさだった。
どんなに重い罪を犯した人の心にもやさしさはある、人間は、本来やさしい生き物なんだと、彼らは確信させてくれたそうです。
10年間おこなってこられた絵本と詩の授業でのエピソ-ドは、子育て中の親御さんはもちろん、人と関わるすべての方の心に響くもので、大切なことに気づかされます。
宇宙という壮大なものに夢を馳せる方々には、想像力豊かに人を思い遣る深い愛情があるように感じています。今こそ読んで頂きたい一冊です。
宇宙メルマガ「THE VOYAGE」2019.4月掲載
二村知子 (ふたむら ともこ)
隆祥館書店店主 井村雅代コーチ(当時)に師事し、シンクロナイズドスイミングを始め、現役時代はチーム競技で2年連続日本1位、日本代表として2年連続世界第3位に。現役引退後、隆祥館書店に入社。2011年から「作家と読者の集い」と称したト-クイベントを開催、2016年からは「ママと赤ちゃんのための集い場」を毎月開き、2019年4月からは、宝上真弓先生と子育てに悩む親御さんのために絵本選書の無料サ-ビス、2020年6月より、お客様からのリクエストを受け一万円選書を始めている。