【スターバックの本棚】『子どもたちがつくる町 大阪・西成の子育て支援』
「子どもたちがつくる町 大阪・西成の子育て支援」
村上靖彦 著 / 世界思想社
「日雇い労働者の町」と呼ばれる大阪・西成。生活保護受給率は23%にのぼるそうです(2019年)。アメリカの偉大なジャズ歌手、ビリ-・ホリデイ (彼女はその生涯を通して、人種差別や薬物依存症、アルコール依存症との闘いなどの壮絶な人生を送りました) の生い立ちを連想するような生活をしていた子も本誌で紹介されていました。恥ずかしながら私は知りませんでした。しんどくても、今日も元気に子どもは遊びます。この町の個性的な活動をしている支援者5人へのインタビューで救い上げられた子どもたちの置かれた状況を、村上靖彦先生がわかりやすく言語化し描かれています。ここで、紹介されている方々の活動からは、「誰も取り残さない」という思いを感じます!西成のイメージが変わる活動の数々、今、コロナ禍で、日本全国で、虐待や、自殺が増える中、西成は横ばいのままです。全国の自治体でモデルにしてほしい取り組みです。
「7人に1人の子どもが貧困」といわれる日本。ヤングケアラー、ネグレクト、虐待などの困難をかかえ、人知れず我慢している子どもたちが、全国にいます。隆祥館書店では、『子どもたちがつくる町』の著者・村上靖彦さんと、本書の舞台のひとつ「こどもの里」に密着した映画『さとにきたらええやん』の監督・重江良樹さんにお話をうかがいます。
しんどさをかかえる子どもたちの実情と、個性ゆたかな支援者たちの実践を追うなかで見えてきた、日本の課題と希望とは。子ども支援に携わる方、行政の方、学校の先生方、地域の子どもたちを支えたいと思っている方、子どもの未来を考えるすべての方へ──大阪の方はもちろん、世界全国すべての地域の方々に聞いていただきたいオンライン・イベントを開催します。詳しくはこちらをご覧下さい。
──メディアからも注目!
「日本の虐待相談件数はうなぎのぼりだが、西成区の件数は横ばいだ。貧困も虐待も可視化され、『子どもを地域で育てる』のが当たり前になっているからだ」 (東京大学大学院教授・阿古智子さん書評、朝日新聞6月12日朝刊より)
二村 知子 | Tomoko Futamura
隆祥館書店店主 井村雅代コーチ(当時)に師事し、シンクロナイズドスイミングを始め、現役時代はチーム競技で2年連続日本1位、日本代表として2年連続世界第3位に。現役引退後、隆祥館書店に入社。2011年から「作家と読者の集い」と称したト-クイベントを開催、2016年からは「ママと赤ちゃんのための集い場」を毎月開き、2019年4月からは、宝上真弓先生と子育てに悩む親御さんのために絵本選書の無料サ-ビス、2020年6月より、お客様からのリクエストを受け一万円選書を始めている。