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アーミラリースフィア(惑星儀)ミツマチヨシコ(2023年8月号)
10月にプラネタリウムは生誕100年となります。
そのため、今年のプラネタリウムはそれにちなんだイベントが秋に行われる、という館が多くなっています。
また、プラネタリウムの歴史の番組もあちこちの館が企画しているようです。
宇宙を視覚的に理解するため、人々は大昔から様々な方法で形にしてきました。宇宙の図を描いたり、惑星の模型を作り、通り道を描き、それを立体にしたり。歯車などを使って複雑な機械を作り、天体の運行を表したり。そういった営みの中でプラネタリウムは生まれてきたのですが、それについてはまた詳しく書く機会もあると思います。
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今月は、その過程のお話。惑星の軌道を表す模型をアーミラリースフィアと呼びます。絵画の中では叡智の象徴として描かれることもあったようです。
今でこそ、太陽の周りを惑星が巡ることは常識ですが、そうではなかった時代、アーミラリースフィアの形も今とは違った形で作られていました。
一つ一つ私たち人類はその謎を解き明かし、より確からしい世界の形を知ってきたのです。
その延長線上に今の私たちがあるのだなぁと昔の器具を見ると思います。
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ミツマチヨシコ
2002年から活動中の切り絵作家。水彩、漫画、動画なども作る。
作風はノスタルジック。ファンタジーとバンプオブチキンをこよなく愛している。
内なる宇宙をこの世界に持ち出し、未知なる外宇宙に思いをはせる日々。
2023年8月号より