ハラミちゃんのピアノで踊るパリの女性~ 「魂の解放」とは?
街角ピアノスペシャル 「ハラミちゃん パリを行く」という番組を見た。
ハラミちゃんは、ストリートピアノのYoutubeで一世を風靡し、今では大きなコンサートホールを満員にするという若きピアニスト。
しかし彼女も音大を出たものの、クラシックピアノのプロの道がいかに「針の穴に糸を通す」ような厳しい世界かという事に気づき、一時はIT企業に就職し、頑張りすぎて病んでしまった過去があったのだという。
番組ではハラミちゃんが、パリのサンラザール駅、リヨン駅、地下鉄駅、ライブハウスなどで地元のピアニストやミュージシャンと共演しながら、その場に居合わせた人たちを驚かせたり、また彼らと共感しながらセッションを重ねていく姿が描かれる。
パリのストリートミュージシャンに「君はスゴイね!なんて上手なんだ!」と絶賛されても、日本人らしく、「いえいえ・・」と控えめに最初は受け取っていたハラミちゃん。
サンラザール駅で、前の奏者との連弾を終えたハラミちゃんが、ある女性からリクエストを受ける。坂本龍一の戦場のクリスマス、「Merry Christmas, Mr.Lawrence」だった。
そしてリクエストした彼女は、ハラミちゃんの弾く曲に合わせて、その場で「踊る」というではないか!
そこは大勢の人が行き来する駅。知らない人たちが行き交い、足を止める人も目を止める人も、止めない人も、もちろんいる。
ハラミちゃんが楽し気に、時に情感を込めて弾く「戦メリ」のメロディに合わせて彼女が踊りだす。決してプロのダンサーのように流麗でもない。だけど、彼女は心の底から「今、ここ」を楽しみにながら踊っているのが伝わってくる。
大学で漆工芸を学んでいるという彼女は言う。
「駅や路上で踊ると心が解放されるの。」
ハラミちゃんの戦メリに合わせて踊る、彼女の姿を見ながら、心が動きました。
揺さぶられました。
なんて自由なんだろう!
なんてステキに自身を解放できている人なんだろう・・・!
なぜだか、涙が止まりませんでした。
私たちは、いや、
私はこれまで一体、何を恐れて、自分を解放できていなかったのだろうか。
ハラミちゃんのパリでのセッションはまだまだ続きます。
ある夜は、ライブハウスでミュージシャン仲間と共演し、そしてまた別の駅ピアノでは、ブルガリアの孤児院からフランスに引き取られたという、視覚障害のあるピアニストに出会う。
彼のスタジオに招かれたハラミちゃんは、彼と即興で演奏をしたりしながら、やがて互いのライフストーリーを語り合い、共感し、まさに彼の「魂の叫び」のような歌を聴く。
その頃には、最初は相手からの称賛にも控えめな返事しかできなかったハラミちゃんも、全身全霊で共に音楽を楽しみ、魂の奥底からの共感をアーチスト仲間と分かち合っているようだった。
そして最後にハラミちゃんは、またリヨン駅のピアノで「パリへの感謝をこめて」弾きたかった曲を弾く。エディット・ピアフの「愛の讃歌」だ。
ハラミちゃんが弾き始めると、最初は下を向いていたり、おしゃべりしていた周りの乗客が顔をあげて撮影しだしたり、連れと目くばせしあったり、振り向いて驚きや感動を隠せない表情がたくさん見られ、彼女の情熱あふれる演奏のすばらしさを改めて感じさせられた。
音楽が人の心を揺さぶる。
長いこと、忘れていた感情がよみがえってきて、
また涙が止まらなくなってくるのだった。
また私も歌ってみたいな、と思った。
NHKで放映していたこの番組の概要はこちらから。
https://www.nhk.jp/p/ts/9981L8QX2N/episode/te/Q341M4WJYG/
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