聖教新聞 2024/05/28 名字の言 聞くことが励ましの出発点
日本心理療法協会によれば、傾聴によって、話す側には次の効果があるという。自分の気持ちへの「気づき」、周囲との「信頼関係」、心にゆとりを持てる「カタルシス(浄化)」、そして「自己肯定感」だ▼耳を傾けることが、自分にも相手にもどれほど力となるか。ある地区では最近、青年部から「互いのことをもっと知りたい」と要望があり、座談会の大半の時間を自己紹介に充てた▼育児と仕事の両立に挑戦する様子や、亡き親の思いを継いで活動に励む青年の真情に、皆が、じっと耳を傾けた。「実は生け花の師範です」と語る年配の女性部員に青年が「すごい!」と歓声を上げる場面も。参加者は「一人一人の状況を知れて、絆が強まった」と笑顔を見せた▼かつて米エマソン協会のワイダー元会長は語った。学会に満ちあふれる「聞く」行為は、全ての人々に「声」を与えることになる、と。先述の座談会は、ありふれた内容かもしれない。だが、こうした集いこそが、孤立化が叫ばれる現代にあって人々を結び、活力を送る貴重な場となっている▼聞くこと自体が、相手を最大に尊重する行為である。聞くことで、友の心は軽くなり、希望が生まれる。ここに励ましの出発点も、広布発展の鍵もある。(轍)
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