京都ひとり旅④ 智積院宝物館で等伯と久蔵に見惚れる
2023年12月上旬、
一泊二日の京都ひとり旅に行って来ました。
旅のルートです。
1日目 福田美術館→嵯峨嵐山文華館
2日目 養源院→智積院→相国寺
2日目、養源院から徒歩7分程度の智積院へ。位置的には道を挟んで養源院の反対側にあります。
直線距離は短いのですが、ぐるっと周るので、歩いて7分くらいかかりました。
智積院広いです。
智積院、「ちせきいん」と心の中で読んでいますが、「ちしゃくいん」です。
私の行き先は、宝物館です。
今年(2023年)の春にオープンしたばかりだそうです。(弘法大師さまが生まれてなんと1250年の記念の年なんだとか!)
あれ?智積院は引っ越して来た⁈棄丸は?
もともとは和歌山県の根来寺の中のひとつだったんだとか。
それが、戦国時代に焼き討ちに遭ってしまい、京都の東山に引っ越して来たそう。
あれ?
でも、もとは秀吉が長男の棄丸(すてまる)を弔うために建てたと勉強したような。祥雲寺というお寺だったはず。
あぁ、美術史、分からない…。
と思いながらも、まあ、いっかと、進みます。
密教法具の展示をガン見
境内入って右手に進むと宝物館がありました。
ロッカーに荷物を預け、チケットを購入します。
……………
そういえば、京都の旅で思ったことなのですが、小銭が何かと必要になります。
大阪旅行の時はほとんど現金を使うことはなかったのですが、(駅のコインロッカーもSuicaで支払った)京都は拝観料や小さなお店、駅のコインロッカーも現金払いでした。
……………
さて、中に入るとまず目につくのが、密教法具です。密教法具、ちょっと怪しげでずーっと観てしまいました。
金ピカで、丸くて、動かせるところがある。
こういう類のものって、どうしてか、好奇心をくすぐられませんか?
密教だけに、本当に秘密が隠れているようで、その意味するところを知りたくなるような。
棒状のものは、四橛(しけつ)といって、壇に結界を施すためのものだそうです。
かっちょいい!
「結界を施す」って言葉がかっこいいです。
アニメとか、戦隊モノの世界だと思ってましたが、ルーツはここでしたか!
真ん中の丸い車輪みたいなのが、輪宝(りんぽう)です。
こちらも細かな模様が施されていてとてもキレイ。斫訖羅(ちゃくら)とも言われるそう。
でも、元々は古代インドの武器が源流らしい。
チャクラってたまに聞くけど、お守りとか身体の要所だと思ってました。
元を辿ると密教に辿り着くんですね。
その他、曼荼羅の展示もありました。
曼荼羅は単に「丸い」という意味もあるみたいですが、解説によると、
曼荼=中心、本質
羅=所有、成就
曼荼羅=円満、充足
という意味があるそうです。
言葉では伝えきれない真理や教えを説いているという曼荼羅ですが、つまりは暗号?これを見て分かるってすごいですね!
親子作品を観て感動
宝物館の中を進んでいくと、広い展示室には等伯たちの障壁画がズラリと並んでいました。圧巻です!
等伯の息子、久蔵の「桜図」と等伯の「楓図」が隣り合っていて、ずっと観ていたかったです。
中は広く、中央にソファがあったので、しばし座らせてもらい堪能。
「桜図」の花びら一枚一枚がとてもキレイでした。この花びら、画面から浮き上がっていて、よく観るとキラキラしています。
後から知ったのですが、貝を砕いた「胡粉」で描かれているそう。
そして等伯の「楓図」。
久蔵が亡くなってから描かれたみたいですが、淋しさや喪失感よりも「桜図」に負けず劣らず、とてもキレイでした。
父親の優しい強さを勝手に感じました。
ソファに座って反対を向くと、大書院の一間が再現展示されています。
大書院まで行く気力がなかったので、こちらで堪能。(←すでにお腹空いてました)
まとめ
私は週末の午前中に行きましたが、私の他に3組程度とあまり混んでいませんでした。
静かに、ゆっくり鑑賞するのにすっごくオススメの場所です。
密教のことも学べたし、隣り合った等伯親子の作品を観ることもできて、とても勉強になりました。
帰りは、宝物館裏手のレストラン、智積院茶寮桔梗さんへ。
こちらも空いていたので、すぐに席に通されました。(が、私の後に次々と3組入ってきました。)
カウンター席に座ると、携帯を充電できます。ありがたいです。
帰りは歩いて京都駅へ。
12月なのにポカポカ温かい日で、歩いていると汗がじわり。ダウンコートを脱いで歩きました。
次は電車に乗って最終目的地の相国寺へ向かいます。