【Pepo代表にに聞いた!!】デジタル現代の起業時に利用した11のサービス
”起業”というのは、極端な話「屋号」「住所」「電話番号」さえあればできますが、「まずは何の準備から始めよう?」と手順を悩まれる方もいらっしゃるでしょう。
デジタル現代において事業を継続していくためには、ホームページ、SNS、会計ソフトなど、経営するためにも用意すべきものが増えつつあります。
一見「当たり前でしょ」と思われるものでも、近年は選択肢がありすぎて選定するには一定の知識と調べる労力が必要です。そこで本記事では、「実際に2020年に株式会社Pepoを起業した代表が起業する際に準備したサービス」について、実例もあわせてご紹介します。
「事業のための」「事業用の」ものを用意する
まず、起業準備の際の前提にしておきたいことが、「事業のための」「事業用の」ものを用意するということです。個人事業主の場合は特にあいまいになりがちですが、最初から線引きしておくと、後々必要となる「確定申告」や「事業上の日々の連絡」が大変楽になります。
また、連絡先・名前・財布をプライベートのものと、事業用のものをしっかりと分けることで、オンオフの切り替えもでき、心身の健康にもよいのでぜひ最初に切り分けを行いましょう。
そのうえで、準備したサービスは大きくわけて「連絡先」「名前」「財布」の3つです。それでは、私が実際に利用した具体的なサービス紹介も含めて選定・準備理由をご説明します。
起業時の準備その1「連絡先」
①メールアドレス
普段使っているアドレスを使用してビジネスをスタートする方もいますが、様々な情報が届くプライベートのメールをメインの連絡先にしてしまうと、重要な情報が埋もれてしまう可能性がありますので、事業用のアドレスを1つ作ることをオススメします。
なお、携帯電話のキャリアメールや、インターネットのプロバイダー契約におまけでつくれるメールアドレスは、契約を変更した際に使えなくなるためやめましょう。
②住所と電話番号
会社登記に必要な「住所」と「電話番号」はバーチャルオフィスを利用しました。私も起業した1年目は新潟駅前にある「HUB STATION KENTO」を利用しました。
バーチャルオフィスを選んだ理由は3点です。
個人事業主の場合は自宅を登記住所にする方もいますが、中には名刺に自宅住所を書くの抵抗ある人もいると思います。私もそうでした。
ただ、立上げ当初で固定費をなるべく抑えたかったことと、夫婦2人での事業で従業員の募集は2年目、3年目で計画していたため、バーチャルオフィスを利用することにしました。郵送物転送プランなどは本当に便利でした。
バーチャルオフィスで電話番号をつくって失敗!
唯一失敗したのは、「電話番号」です。電話番号もバーチャルオフィスで提供してもらえましたが、事務所移転すると電話番号は利用できなくなります。契約の方法で回避できますが、当時はそこまで意識が回りませんでした。
今の事務所に移転した際に電話番号だけは引越しできず、仕方なく新しい電話番号を準備しました。それに伴いホームページや名刺、チラシなどもすべて修正が必要になるので、ご注意ください。
起業時の準備2「名前」
③法人設立
会社設立の際は、「freee会社設立」というサービスを利用しました。Freeeはクラウド会計ソフトとして有名ですが、実は他にも会社に関わるサービスも多数提供されています。
個人事業の頃の開業届けは、紙一枚の提出だけだったので窓口で行いましたが、Freeeも同じくらい簡単なのでおすすめです。
画面上の流れに沿って項目を入力していけば、会社設立に必要な定款や提出書類をキレイに作成してくれるほか、有料サービスにはなりますが、電子定款の登録もfreeeが提携している士業の方が代わりに行ってくれるため、基本はクラウド上で完了します。
最後は窓口で登録完了する必要がありますが、予想していた以上に簡単に書類が作れたので本当にコレでいいのかな?って感じたくらいです。個人事業主やスタートアップの会社には向いていると思います。
④ドメイン
「ドメイン」とはインターネット上の名前であり住所のことです。インターネット上の住所とは、ホームページのことです。
無料のドメインの場合、「本当にこの会社大丈夫かな?」「このサイト本当にこの会社のかな?」と疑われる可能性があります。機会損失を減らすためにも、ドメインを取得することをオススメします。
弊社でも複数のドメインを利用していますが、その中の1つは「お名前.com」から購入しています。
ドメインは早い者勝ちなので、社名やサービス名を決めたら比較的早めに取得しましょう。意外と同じこと考えている人は多いのです。
⑤ホームページ
近年では、特別な知識がなくても直感的にホームページが作成できるツールがたくさんあります。ここで紹介するのは、「Wix(ウィックス)」というホームページ作成ツールです。弊社のホームページもこのWixで作成しています。
Wixは、ドラッグアンドドロップの操作で、コーディングの知識がない初学者の方でも簡単に使用できます。数百種類のテンプレートが用意されているため、好みに合わせてカスタマイズが可能です。
その他にも、「オンラインストア」や「予約システム」の機能もあるので、事業によっては使い勝手の良いツールの1つではないかと思います。無料のままも使用できますが、広告がでてしまったり機能の制限がかかったりするため、有料版にアップデートして使用しましょう(月額900円~で広告を消すことができます)。
ただ、ここで気をつけなければならないことは、セキュリティや保守、運用管理なども考えておく必要があることです。
社内に担当者がいれば、ある程度カバーできると思いますが、自社で解決できない問題が生じた場合など、相談できる業者さんや開発会社を見つけとくと安心です。
⑥メールアドレス(ドメイン使用)
①でもメールアドレスをつくるお話をしましたが、もう一歩踏み込んで独自ドメインを使ったメールアドレスをつくりましょう。④のドメインは、ホームページだけではなく、メールアドレスにも使用できます。
私たちは、このGoogleワークスペースという法人向けのサービスを利用しています。④で取得したドメインをGmailのメールサーバに登録、認証して使用可能です。
メール以外にも社員がいれば連絡手段としてチャットを利用したり、データの保管、共有の場としてGoogleドライブを利用したり、利用できるサービスは様々で、弊社でも立ち上げ時から利用しています。
⑦名刺
社名、電話番号、メールアドレス、ホームページのURLが決まったらすぐに作成することをお勧めします。印刷会社に依頼することもできますが、名刺デザイン自体も今は無料のデザインツールが様々なテンプレートが提供されているため、ご自身で作成することも可能です。
私たちは、Canva(キャンバ)というツールをよく利用しています。名刺意外にも自社のサービスやチラシ、ブレゼン資料、バナー作成等にも使えます。
印刷は、Canvaから印刷することも可能ですし、ネットプリントサービスで印刷することもできます。
ただ、苦手な方もいらっしゃると思いますので、多少費用が発生してもデザイナーさんと打ち合わせして作成してもらうのもいいでしょう。その際に、企業ロゴなども併せてお願いすると、統一感のあるデザインでスッキリすると思います。
起業準備3「財布」
⑧銀行口座
メインバンクは創業期の融資制度なども相談しやすい地銀をお勧めします。弊社の場合は地銀、信金、ネットバンクの3つの口座を使っています。
インターネットバンキングは忙しい仕事の合間に窓口に行く必要がなく便利です。この後「会計ソフト」についてご紹介しますが、「API」といって他のシステムと連携できる銀行口座だと、経理が大変楽になります。
⑨法人用クレジットカード
クレジットカードしか支払方法を選択できないサービスも増えてきているため、法人設立時には早めに法人用のクレジットカードを準備しましょう。ネットバンクを開設する際に一緒に作ることもできますし、弊社の場合はfreeeで法人設立した流れで準備しました。
⑩会計ソフト
私たちの会社ではfreee会計というサービスを利用しています。
ちなみに、このfreeeへの毎月の記帳処理は税理士さんに月1万円ほどでお願いし、年末調整や決算はプラス費用をお支払いして対応していただいています。やりとりはチャットで行っていますが、インボイスや電子帳簿などについても気軽に相談しやすくてとても助かっています。
日々の作業としては、請求書などのPDFをグーグルドライブの共有フォルダに保存します。紙のレシートなどは、スマホで撮影してグーグルドライブの共有フォルダにアップロードしています。毎月大体決まった時期に、税理士さんに処理いただいています。
口座もAPI連携しているので、通帳記帳に窓口に行くことなく共有できています。
確定申告で苦労されている個人事業主の方も多いと思いますが、確定申告で慌ててレシートかき集めるようなことがないよう、毎月きちんと処理する仕組みを作っておきましょう。
とはいえ、コツコツできる人ばかりではないので、最近は利用しやすい価格帯でオンラインで経理や事務を代行してくれるサービスも増えています。
会計ソフトとあわせて、そういったサービスを利用するのもおすすめです。
⑪出納帳(Googleスプレッドシートで作成)
ここで大切なのは「記録を残すこと」です。費用が発生した場合は、なるべく溜めないですぐに登録するか、登録する日をGoogleカレンダーなどで予定を入れて、忘れないように記帳することが大事です。
弊社の場合は、会計ソフトとの突き合わせで利用しているので、いつ、何を、いくらで、どうしたか、を登録しています。これがあることでキャッシュフローが明確化され、後々で事業計画にも役立ちます。エクセルではなく、スプレッドシートで管理しているのは、税理士さんなど共有しやすいからです。
デジタルツールをうまく活用しつつ、苦手なことは「代行」する
今回は、実際に私が起業時に準備したツールをご紹介させていただきました。
もちろん、今あげたツールを必ず利用する必要はありません。経験則からこれらを準備すると便利ということなので、現在利用しているツールや、管理方法が出来上がっていれば問題ありません。
また、本文中でも記載しましたが、苦手なことや面倒なことはすべて自分でこなすには困難な場合もあるでしょう。「専門家」や「事務代行サービス」に依頼することも一つの手段ですので、ぜひバランスを見ながら取り入れてみてください。
これから起業を考えている方や個人事業主の方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
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