親に知って欲しい金融知識『親の住居を相続するときは○○に気をつける』
一人っ子だった私は、社会人となり、結婚し、子どもも生まれ、頑張って戸建ての自宅を持つこともできました。
幸いにして両親はまだ元気で、実家で暮らしています。
実家は、家・土地ともに父親名義。
そんなある日、元気だった父が突然他界。
父の遺産は、私と母が相続することとなりました。
年老いた母は、長年住んだ実家にこのまま住みたいと言います。
ただし母の希望で、家・土地は私の名義にしました。
自分がいなくなった後の、次の相続手続きのことも考えてくれてのことだと思います。
その後、母は一人で実家暮らしを続け、それはそれは元気に老後生活を楽しんでいました。
ところが、そんな時に私が病に倒れます。
父と同じく、あっという間にこの世を去ることとなりました。
妻と小さな子どもを残すこととなりましたが、充分な生命保険を残すことができましたので、経済的には大きな心配はしていません。
ところが・・・
私は実家暮らしの母のことを、忘れていました。
もしも私がいなくなったら、どうなるかを想像していなかったのです。
実家の家・土地は、父が亡くなって私が相続していましたから、すべて私名義です。そこに母が住んでいました。
私名義の家・土地の相続権は、妻と子ども、です。
実際そこに住んでいる母に、相続権はありません。
妻か子どもが相続するにせよ、今後、母は他人所有の家に住むことになります。
私の母も大切にしてくれていた妻ですから、もちろん信じています。
妻、子と、母が、ケンカすることなく良い関係でいてくれることを、空の上から願うばかりです。
母が最期を迎えるまで、実家で幸せに暮らしてくれますように。。
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このお話しは、もちろん架空のものです。けれど、読んでいただいてわかる通り、あまりにごく普通の家庭にありえるお話しでもあります。
ここで言う「私」はもちろん男性目線ですが、「私」が女性の場合もあるでしょう。
奥さんの実家が、すべてご主人の物になる場合もあるということです。
親からの遺産、特に親自身が住んでいる不動産を相続する際には、あらゆる角度から将来の可能性を想定し、気をつける必要があります。
そこには、自分にもしもがあったら、も含めなければいけません。
そして、自分の親と配偶者は、他人であることも。
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私はもう26年前に父を亡くしましたが、当時父と母が暮らしていた実家は、土地は私と母で1/2づつ、家は母がすべて相続することとしました。
自分にもしもがあっても、母がこの家に住み続けられる権利を守るためです。
当時の私は金融業界1年生。相続の知識などまったく無い、まだまだお金オンチの大人でした。
父が亡くなった後、お世話になった税理士先生からのアドバイスが無ければ、もしかしたらすべて私名義にしていたかもしれません。
幸いにして私はまだ生きていますし、今ではFPとして相続の知識も得て、自分のもしも対策は充分できています。
けれど、そのような知識が無い皆さんも多くいらっしゃると思います。
もしも何かあった時には、机上の知識だけではなく、現場での経験豊富なFPや税理士の先生などに、どうぞ積極的に相談してください。
想定外のことが起こるのも、人生です。