親に知ってほしい金融知識『今さらだけど、「争続」は意外と多いということ』
相続(そうぞく)と言うと、お金持ちの人が心配することのように考えている方が多いかもしれません。
「うちの親は、そんなにお金持っていないし・・・」
多くの皆さんが「相続」という言葉から連想する心配は、「相続税」ではないでしょうか?
だから、そんなにお金持ってないから大丈夫、みたいに考えているのだろうと思います。
けれど、もしかしたら相続税以上に気をつけておきたいのは、「争う続く」と書く、「争族(そうぞく)」です。
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「相続」が発生した場合、残された人たちで、遺産をどう分けるかを話し合います。これを「遺産分割協議」と言います。
たとえば、ご主人が亡くなり、身内(法定相続人)が奥さん・長男・次男の3名だとすると、
奥さん:私は、この家に住めれば、お金は少しでいいよ
長男:お袋の面倒は俺が見るし、家・土地と、残りの現金も俺がもらいたい
次男:いや、俺も親父の資産をもらう権利があるよ!
こんなケースですんなり話がまとまればいいですが、残念ながらそうならないことも😓
そして最悪は、裁判所に持ち込まれてしまいます。
裁判所が作成した司法統計によると、家庭裁判所の相続に関する調停の数は、
2020年には、1万2760件。
2020年に亡くなった方は約137万人いらっしゃいますから、おおおよそ100件に一件ぐらいの割合で、もめている人がいると言えるのでしょう。
ただし、このうち相続税が掛かるような資産を持っている人は、実は25%にも満たないのです。
相続税が掛かるような富裕層だからもめるわけではありません。
富裕層ではない家庭のほうが、もめる割合は圧倒的に高いというデータです。
家裁に持ち込まれた4件のうち3件は、相続税が掛かるような富裕層ではなく、ごくごく一般的な日本のご家庭の話ということです。
お父さんが亡くなって、奥さんやお子さんで、誰が何をもらうかでもめてしまうのでしょうか😱
お母さんが亡くなったケースもあると思います。
お子さんがいないご夫婦で、よりややこしくなるケースもあります。
いずれにしろ、亡くなった方が見ていたら、悲しむべき出来事です。
別な見方をすると、富裕層のご家庭は、それなりに事前に相続の準備をしている方が多いのだと思います。
相続税の節税対策はもちろん、
だれが・何を・いくら、相続するか。
たとえば遺言書などを残しているケースもあるでしょう。
ところが、はなから相続税は掛からないから我が家は平気!
兄弟姉妹もみんな仲良しだし何の心配も無し!
と思っている家庭の場合、
いざ相続が発生すると、
だれが・何を・いくら、相続するかも決まっていませんから、そこからの話し合いになります。
そもそも、亡くなった方の資産がどれくらいあるのかも、知りません。
持っている預貯金だけでなく、不動産がいったいいくらぐらいになるのかも知りません。
その辺りのこと、実際に「お金」の全体像が徐々にわかってくると・・・
人間の本質を考えさせられるような事態にならないよう、
何より血の繋がった身内同士での「争族」とならないよう、
関係者が同じ目線に立って、事前に準備を進めておいてほしいものだと思います。
特に不動産をお持ちの方。
遺産分割協議で「争族」となる割合が多いのは、不動産をお持ちのケースだというデータがあります。
現金と違って、単純に「割ることができない」資産だからでしょう。
くれぐれもご注意ください。
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