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1月の高松・直島旅行①城下町と水族館

訳あって高松へ行くことになった。

自分で計画しない旅行は苦手である。どこへ行って何を見るのか、何を学んでから行くべきなのか、はっきりしてほしい。旅先へ行ってからイレギュラーが起こり、対処療法的に行動し、風のまにまにな旅になるのとは話が違う。しかしながら人間社会では時々、不本意な事態が発生し、それはそれで流れに沿って生きなければならない。
というわけで今回の旅は、基本的には流れに身を任せ、合間合間にチャンスを見逃さずそこから飛び出す、という形になる。

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早朝羽田を発ち、一時間の短いフライトを経て高松へ着いた。
最初に連れて行かれたのが中津万象園である。江戸時代に作られた、よく整った庭園がある。庭園内の随所に小さな社があって、「三社巡り」などというものが企画されているのもなかなかにいじらしい。

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地方の城下町、良いところが多いな、と少し前からようやく気がつき始めて、ここも江戸時代に建てられた丸亀城を臨む大名庭園である。通りすがりに城を眺めながら移動して、今度は高松城のエリアに入る。この付近には屋島城というはるかに古い城もあって、遺構のある山の上に水族館がある。なんでだ。

この謎エリアに行く前に、四国村という野外建物博物パークの前にあるうどん屋でお昼を食べた。有名らしいです。うっかり「大盛りで」とか言ってしまったら、洗面器のような器が運ばれてきてどうしようかと思った。

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屋島城跡には城の遺構と屋島寺と水族館がある。かつては山上にロープウェイも通り、ちょっとした観光地として拓けていたらしい。今は土産物屋街も半ば崩れかけ、本当にこの奥に水族館があるのかと疑いながら進んで行くことになる。

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しかしながら屋島寺はなかなかに管理が行き届いている様子を感じさせる寺で、宝物館も真新しく大きい。どうなっているのだろう。

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屋島はたぬきが有名なようです。

境内を通り抜けて人気のない道を抜け、全然よくわからない小道をぐるりと回り込んで行くと、ついに目の前に新屋島水族館が現れる。

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チケットカウンターを抜けると(ちなみにゲートは機能していない。単におねえさんからチケットを買えばいいだけである。団体の人数なんか数えてなさそう)、正面に館内への入り口があり、その左右に屋外エリアがある。

右手ではちょうどアシカショーをやっていた。ぐるりと円を描く水槽の中をアシカたちがわちゃわちゃと泳いでくれて、泳ぐ様子がよく見えますね!……というパフォーマンスがあるのだが、これがなぜか寛永通宝型水槽である。透明な古銭の中を泳ぐアシカ。うん……いや……うん??

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ちょっと不安になりながら、館内入り口の方へ戻る。左手にはペンギンエリアがあり、ペンギンたちが静かに佇んでいた。

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誰一人動かない。のどか。

さてようやく館内である。明らかに人気がなく静かだ。重いガラス戸を押して入る。

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これが……

この……館内が……

実にいい。

この水槽の色彩。この館内の配置。子供の頃親にせがんでなんども連れていってもらった水族館というのはこうじゃなかったでしょうか? かつて夢のようだった水族館、今は懐かしいおさなごころの記憶。はっきり言わせてほしい。レトロフューチャーですよこれは! 水族館にもレトロフューチャーはあるんだ!! 控えめに言って最高。
壁のあちこちを飾る手書き文字。室内や水槽の味のある丸み。ウキウキしながら進んで行くとしまいには2階へ上がる緑色の螺旋階段が現れてとうとう思わず声をあげてしまった。

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階段をのぼるとリニューアルした「映え水槽」ですよみたいなアピールをしているクラゲエリアがあって、まあこれにもホイホイと釣られてしまった。映えます。

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既に満足してしまったのだが、屋島寺に戻ってからさらにしばらく歩く気があれば、城の遺構を見ることができます。7世紀の城郭。発見されたのは平成10年だというから、結構最近である。ここからは眺めも良く、元気があればぜひ立ち寄られたい。

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夜は高松市域に戻り、魚を食べて過ごしました。オリーブぶりが絶品。

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さてここで連れたちは宿へ帰ったので、単独行動のチャンス。一人夜遊びに出かけました。

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繁華街の裏路地のビルの2階にひっそりとあるブックカフェ&バー。薄暗い空間、カウンターだけのみっしりとした客席、盛んに交わされる土地の言葉の会話。美しい時間を過ごさせていただきました。

夜は普通のビジホを取っていたので、同行者たちにバレずこっそり戻って就寝。
高松の夜、まずは大満足でした。

2日目に続く。


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