クッキーを作る（Cookie Cliker）

ついに、新たな趣味を始めてしまった。
クッキー作りだ。

クッキー作りはとても良い趣味だ。
クッキー生地をこねて寝かせて、型をとって焼く。
それだけだ。
しかし、私の始めたクッキー作りはそんなめんどくさい作業すらいらない。
クリックするだけで、クッキーが焼けてしまう。

クリック1つでクッキーが焼けてしまうことの何が面白いんだ、と思う人もいるかもしれない。
私も確かに最初はそうだった。
しかし、クッキーが増えること、それ自体が楽しくなってきてしまったのだ。

最悪、クリックすらしなくても良い。
勝手にグランマが焼いてくれる。
私はただ画面を開いて見つめるだけで何億・何兆ものクッキーが手に入るのだ。

ある人がこう言った。
クッキー・クリッカーは人のやるゲームではない、と。
そうかもしれない。
そうかもしれないが、クリックするだけで増えていくのが楽しいのだ。

そうしてクリックしていくごとに、何か大切なものを失ってしまった気がしないでもないが、思い出せない。
思い出せないということは、それほど大したことではなかったのであろう。
他のゲームをやっていても、読書をしていても、家事をしていても、クッキーは増え続ける。
無限に増えて、増えた先に何があるのかは私も知らない。
せめて、増えた先の未来が平和であることを精一杯祈りたい。