ジャパニーズ・ニューシネマ(※胸糞注意※)。『ディストラクション・ベイビーズ』ネタバレ感想文
2016年の邦画。主演は柳楽優弥。他のメインキャストは菅田将暉、小松菜奈。自主映画時代からその作品の熱量が高く評価されていた真利子哲也監督の長編商業映画デビュー作。
公開時に映画館で鑑賞して以来5年ぶり2度目の鑑賞。大好き。
2016年俺のナンバー1映画・・・だと思っていたら2位だった。ちなみに1位は岩井俊二『リップヴァンウィンクルの花嫁』。
これから書くことにも関わってくるんですが、『リップヴァンウィンクルの花嫁』は語ることがたくさんあるんですけど、この映画は実は語ることがほとんどない(笑)。
5年ぶりに観たら池松壮亮だし虹郎だし北村匠海だし岡山天音だったという再発見はありましたが、語れることがほとんどないことに変わりはないので、5年前の感想文をリライトして掲載します。
ジャパニーズ・ニューシネマと見出しに書きましたが、私はこの映画に『俺たちに明日はない』を見たんです。
理由とか言い訳とか同情とか、そういう説明的なことがない。
ひたすら衝動だけがスクリーンに焼き付けられます。
唯一説明的なのがタイトルで、破壊(Destruction)と気晴らし(Distraction)のダブル・ミーニングであることくらい。
すごく新鮮だったし、すごい衝撃。
再鑑賞しても(さすがに新鮮さは落ちますが)面白さに変わりはない。むしろ、より面白かったくらい。
これで小松菜奈がいい娘だったりしたらもの凄い嫌悪感なんでしょうけど、キャバ嬢小松菜奈がなかなか嫌な女なんですよね。
ヘタレ菅田将暉は菅田将暉史上最悪の胸糞野郎です。ウッヒャー言いながら通りすがりのJKを殴る蹴るするからね。
池松壮亮がヤクザのくせにナイフ出したりして、それで気付かされるんですが、柳楽優弥は武器は使わないし、女子供の弱者には手を出さないんですよ。イカレ野郎のくせに。
そういうことを台詞ではなく描写ができる。
先に「衝動だけが描かれる」と書きましたが、実はきちんと計算された巧さがあるんです。
いま新作が待ち遠しい監督の一人、真利子哲也。
当然『宮本から君へ』も観ましたしね。2019年の俺のナンバー1映画・・・だと思っていたら2位だった。ちなみに1位は『ウィーアーリトルゾンビーズ』。
録画した『イエローキッド』観なきゃ。
(2021.01.30 CS録画にて再鑑賞 ★★★★★)
監督:真利子哲也/2016年 日