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ドラマ『ユーミンストーリーズ』第二週「冬の終り」(ネタバレ雑感 )

その制作発表があった時から楽しみにしていたドラマ。

「冬の終り」
(2024年3月11日(月)~14日(木))
・原作:柚木麻子「Yuming Tribute Stories」より
・脚本:ねじめ彩木
・演出:箱田優子

原作の柚木麻子は『ランチのアッコちゃん』の人ですよね。
あの蓮佛美沙子と戸田菜穂のドラマ、わりと好きだったんだよな。
あと、脚本のねじめ彩木はねじめ正一のお嬢さんだそうですね。
そして演出の箱田優子。『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(2019年)の監督ですね。この映画、好きです。もっと映画撮ってほしいな。

そして、ユーミンのこの曲は知りません。
原作小説でも「知る人ぞ知る」って書いてありますしね。
いや、一度「ユーミン(アルバム)全部聞く」をやったことがあるんで、一度は聞いてるはずなんですけどね。
90年代のユーミンはドンズバじゃないんだ。
ちなみに、Apple Music様々の「全部聞く」マイブームは、「ピンク・フロイド全部聞く」をやったことがあります。全然関係ない話だけど。

で、今回もドラマを観てから原作小説(短編)を読んだんですが、原作も面白かったけど、いやあ、ドラマ面白かったな。

「ユーミンの曲をモチーフに小説を書く」となった場合、一週目『青春のリグレット』のように、その歌詞からインスピレーションを得て物語を綴るのが一般的なパターンだと思うんです。
ところがこの柚木麻子の原作は、「冬の終り」という曲が「小道具」なんですね。この曲を流すことが目的という、『ミッション・インポッシブル』なんですよ。

ところが、角度を変えて相手方の視点で見ると、「冬の終り」という曲そのものよりも、その曲が流れていた当時の状況(情景)が重要だったりするわけです。なかなか秀逸な作りです。

ところが、ドラマではさらに原作小説にない仕掛けがあります。
スーパーで働く若い女の子。
原作でも登場するのですが、高校を中退したとか、彼女の背景は小説では描かれません。友達が登場するシーンはドラマオリジナルです。
そして、その高校生の2人の関係こそ「冬の終り」の歌詞なのです。

ま、退職するパート先輩のエピソードも原作にはありませんけどね。
これが無いと「恋」の要素が無い物語になっちゃう。
やっぱり、ユーミンですから。

余談
有線放送のリクエスト受付の女性(名前忘れた)は、黒木華ちゃんの声ですよね?たぶん箱田優子が演出した「金麦」のCMの縁じゃないかな?