マガジンのカバー画像

私の映画鑑賞録2023(ネタバレ感想文)

83
年間84本鑑賞(新作34本 旧作50本)。内再鑑賞26本、劇場鑑賞71本。新作ベストは邦画『春画先生』、洋画『バービー』。
運営しているクリエイター

#ヴェンダース

映画『PERFECT DAYS』 上を向く人。世は並べて事もなし(ネタバレ感想文 )

私はヴェンダースが苦手です。 『ことの次第』(1982年)でも書きましたけどね。 でも、最近『ことの次第』を観たことは大きくて、私も年を取って、少しヴェンダースが分かるようになった気がします。 だから本作は役所広司ウンヌンは別として観に行く気になりましたし、実際かなり好意的に観ました。 劇中、「世界は一つじゃない」的な話が出てきますが、このシンプルな話も多面的な捉え方ができるように思います。 少なくとも私は4つの物語に切り取れるように思いました。 まずヴェンダース的な側

映画『ことの次第』 ハンバーガーは口に合わなかったらしい(ネタバレ感想文 )

「12ヶ月のシネマリレー」という名作上映企画で初鑑賞。 正直言うと、ヴィム・ヴェンダースが苦手です。 『パリ、テキサス』(1984年)と『ベルリン・天使の詩』(87年)、名作と名高いこの2作を若い頃に観たのですが、死ぬほど退屈で(笑)。 たしか両方とも2回観てるんだ。そのくせ1シーンも1ミリも覚えていない。忘却度100%。1回目の鑑賞は死ぬほど退屈で、2回目の鑑賞は退屈すぎて実際に死んだことだけ覚えてる。 ゴダールは嫌いなんだけど、ヴェンダースは苦手。 そんな中、どうして