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片付けは私達の人生を写す鏡だ

★はじめに


相変わらず断捨離系の本を読んだり、片付け系の動画を見る日々。スイッチが入ると家の中を少しずつ片付けられるようになった。なかなかミニマリストまでの境地には至らないけれど。

先日平野ノラさんがYouTubeである女性のキッチンをユーモアを交えながら片付ける動画を見た。そんな中で発見があったことを書いてみる。

★ほめることの重要さ


「ほめる」って案外大切、重要。本来なら片付けは家事の範疇でシュフにとっては出来て当たり前、やって当然の仕事だと思われがち。誰からも認められるわけでもないし、報酬も発生しない。でも少し考えて見てほしい。もし、片付けを意識的にやらなければ、部屋やキッチンは早晩モノで溢れてしまうはずだ。

ノラさんは、捨てる、誰かに差し上げる決心をした女性に「すごいね!」を連発する。「もっと手放すのに時間がかかるタイプかと思ったらあっさり行けたね。」とか「もっと執着があるかと思ったら決断早いね。」とか色々だ。
人間、褒められて誰しも悪い気はしない。ノラさん自身はモノを手放すかどうかは決断しない。あくまで残す、残さないは依頼者女性の手に委ねている。ここもポイント。自分で判断して手放す決断をして褒められる。それを何度か経験すると、たぶん脳の中にドーパミンが出る回路が出来るみたいだ。

最初なかなかモノへのこだわりがあった女性がどんどん捨てられるようになっていく過程は、見ていてちょっとした達成感が得られるから不思議だ。


★モノと思い出を分けて考える

これは捨てられない人の言い訳や癖に良くある。私自身もまだ少しそういう弱点があるように思う。
モノには素敵な思い出がいっぱい詰まっている。自分が何か一生懸命取り組んだ証だったり、しんどくても楽しかった思い出だったり様々だ。特に子どもの作品や手紙なんかは、なかなか踏ん切りがつかない人も多いだろう。

でも本来はモノと思い出(ストーリー)は別物だ。モノを見ればその思い出が喚起されるが、逆にモノを見ない時間はその思い出を思い出すかといえばNOだ。私達は毎日今、この時を生きている。考えなくてはならないこと、判断をしなければならない事が毎日山ほどある。そんな中で思い出に耽って、思い出の中だけで生活しているわけではない。そんなことをしていたらたちまち時間が足りなくなってしまうだろう。高齢者の家にモノが多いのは、彼らは今を生きていないからだ。昔の時代のまま、空気が止まっている。もちろん認知症や他の疾患もあるだろうが。もったいないと言う気持ち以上に持っていると、所有しているだけで安心感が得られる時代を経験して来た人達は皆モノを手放すのをとても嫌がる。

だから箪笥の奥にしまい込んだ思い出をまとったモノ達は本来は必要ないものばかり。逆にモノがなくても私達の脳は覚えておきたい事柄はきちんと覚えているはずである。だから、モノと思い出を上手に切り離して考えられる人は捨てられる人になると思う。誰しも過去の成功体験を取っておきたくなる。でもそれは頭の中だけで保存してあればそれで済む話だと思う。

★現代は情報過多、モノも過多

この片付け系の本や動画が盛んになったのはここ10年くらいのことらしい。たぶんスマホの登場と共に色々な情報やモノが私達の身の周りに溢れるようになった。確かに。片手で操作出来るスマホでAmazonや楽天をポチれば、大抵の物は手に入るようになった。それがいいことか悪いことかは別として。情報も然り。地上波のテレビと紙の新聞、固定電話の頃から比べると私達は毎日溢れんばかりの情報の渦の中で生きている。

ところが、これも誰かの受売りだが、私達の身体能力、脳の情報処理能力は5万年前からほとんど進化していないそうだ。だから溢れる。情報がパンパンで頭の中がうっすらモヤがかかったみたいになるし、放っておくと部屋はモノで満ち満ちて行くし、グルメ情報ばかり見て食べてを繰り返していると確実に太る。

だから時々思い切って部屋を片付けなくてはならない。そうしないと目に飛び込む情報が多すぎて、せっかく家に居てもくつろげないどころかイライラしてしまう人も多いだろう。
日本の(特に都会の)住宅は手狭だ。
コロナ禍でリモートワークを経験して、落ち着かない思いをした人も多いだろう。
残念ながらアメリカの郊外に建っている住宅とは広さが元々違いすぎる。
もちろん地方に移住するという手もあるだろう。職種によってそれが可能な人はそれも一つの解決策だ。或いはデュアルライフというか、多拠点をあちらこちらフラフラしながら生活するのもこれからの時代はありだろう。
そんな時も出来るだけ身の回りのモノは少ない方が心地いいはずだ。

私もまだ少し思い出の品々をしばらくの間眺めて、時期が熟したら手放そうと思う。

片付けは奥が深い。片付けは私たちの人生そのもの。片付けはその人の頭の中がそのまま見える作業でもある。正に片付けは私達の人生を写す鏡だ。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。




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