東京マラソン

【陸上/マラソン】ブームではなく文化に。エンターテイメントとしてマラソンを楽しむ

生ビール片手に野球観戦。
日本の夏の風物詩ともいえる見慣れた光景。
贔屓のチームを応援する者、純粋に野球というスポーツを楽しむ者、色々なスタンスこそあるがその姿は『気軽に娯楽を楽しむ』。まさにそれそのものであり、一つの文化と言えるだろう。

野球に限らずサッカーやラグビーなど、試合観戦はエンターテイメントとして確立されている。

ではマラソンはどうか…

2008年に東京マラソンが設立されて以降、日本はまさにマラソンブームだ。
が、エンターテイメントとして気楽な気持ちで「マラソン観に行こう」となるかというと疑問だ。
たしかに東京マラソンでは年々沿道での応援者も増えていて盛り上がりを見せているが、野球観戦のようにエンターテイメントを楽しんでいるという雰囲気かというとまだまだだ。
あくまでも応援という感覚であり、自分たちが楽しむという感覚はあまり浸透していないように思える。

一方で世界最大級の市民マラソンと呼ばれるニューヨークシティマラソンやロンドンマラソンなどはまさにエンターテイメントとしての盛り上がりを見せていると感じる。

ニューヨークでは屋外での飲酒が禁じられているのでビール片手にとはいかないが、沿道で声援を送りながら大騒ぎしているその姿は、まさしくスポーツを楽しんでいる姿だ。
ランナーにとって「レッドカーペットの上を走っているよう」と比喩されるのもこの盛り上がりあってこそだろう。
また、完走メダルを首にしたフィニッシャー達に敬意を表しつつ気軽に「Congratulation !!」と声をかけるのも文化としてマラソンが受け入れられ、それを楽しもうという姿勢が身についているからだろう。

ロンドンマラソンではまさにビール片手に音楽を鳴り響かせ…といったライブ会場さながらのお祭り騒ぎ、といった一幕も見られた。
ニューヨーク同様、マラソンが一つの文化として受け入れられ、それをエンターテイメントとして全力で楽しんでいる。

国民性の違いもあるだろう。
日本の応援スタイルが悪いというものでもない。
ただ日本ではブームと言われつつもまだまだ文化として浸透しているかと言うほどではない。

スポーツ好きとしてやはりスポーツはやるのも観るのも本人が楽しいことが一番であるべきと思うし、マラソンというスポーツをもっと気軽に楽しんで観戦してもらいたいとも思う。

ブームではなく文化に。

まずは近くで開催されるレースにふらっと足を運んでみる。それがマラソンを楽しむための文字通り第一歩となるのではないでしょうか。

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