「はじめて」は空気を入れ替えて新旧かき混ぜる、会社の成長ツール。
みなさん、おはようございます。
11月に入って、急にグッと冷え込みましたね。京都の息まで凍ってしまいそうな冬が、もう目の前まで来ています。
私は、「株式会社ピープルズ」という会社の執行役員及び経営企画部長であり、その子会社である「スーベニール株式会社」の取締役を務めています。
※私の自己紹介の記事はこちらをご覧ください。
⇒普通のOLだった私が、ある会社の社長になった、たった3つの理由。
最近、昔のことをよく思い出します。
私は、どちらかというと前ばかりみて猪突猛進するの人間ですが、何か糸口がないかと振り返っています。
写真は、スーベニールが初めてカタログを作成した時のものです。
2010年8月末、ちょうど10年前ですね。
同年の9月のギフトショー出展で、初の卸事業を始めようとしていて、お客さまにお渡しするカタログを展示会に間に合わせるため必死でした。
普段見ているメーカーさんのカタログが、あんなにたくさんの作業があるものだったなんて、、、!デザイナーもMDも卸営業担当者も、みんな初めての作業で。このみんなというのは、デザイナーだけでなく営業もバイヤーも新入社員もアルバイトも、役員も、本当のみんなです。全員で出来る限りのメンバーが、日々遅くまで分担して作成しました。
その時なりの全力で、なるべく妥協せず、こだわり抜いた宝物(思い出も含め)です。
今ではデザイナーが、シュッと仕上げてくれて、カタログを作成することが当たり前になっていますがこれが無ければ今は無いのだなぁと思っています。
思い出に浸っている場合ではなく、こんな時期だからこそ前に進まないといけないのですが、過去の良かった部分に浸るというよりは、必死さを取り戻したいと思っています。
振り返れば「はじめて」会社で行ったこと、小さなことから大きなことまでたくさんあります。
初めての新卒採用、初めての説明会。
初めての社内新聞。
初めてのブランド立ち上げ。
初めての展示会、カタログ製作。
設立パーティーの開催に、イベント。
初めての出店、京都外への進出、フランチャイズ。
初めてのラーメンやさん。
初めての制度、規則、ルール。。。など。
今は流石に会社も、人数も増えて、全てのことの実行には関わることはできませんが、それでも会社の中の❝はじめて❞をたくさん実行し、作ってきました。そして、そういった❝はじめて❞の出来事って、ポイントポイントで、今も鮮明に思い出します。その経験や乗り越えた自信が、私の力となっています。
例えば、「はじめて」で今でも思い出すのは、伊と忠に入って1年目、新入社員の時に社外向けの展示会を行うことを決め準備をしていた時のことです。メンバーは商品部3人。展示会の案内状、送り先のリストアップ、場所の選定という運営準備面から、展示会に発表するための商品企画、サンプルづくり、加工賃や上代決めなどの商品づくりまで行いました。私はこの時、1年目にして「ゲタバコ」という下駄のブランドを発表することが決まっていて、毎日日常業務と、その商品開発と、準備すること山積みでした。
思い出すのは夜中の1時くらい、展示会の前日なのに全然準備間に合っていなくて、私以外の商品部2名と社長とで、明日展示会に来てくださるお客様へ渡す商品リストなどの書類を印刷して、一部ずつホッチキスをとめているシーン。鬼のようなスピードで書類をセットしているって3人に笑われてるという、本当にどうでもいいシーンです笑。
あとは、まだあまり京都外の観光立地に店舗出店をしていなかった頃、全国に新しいお土産ブランドを作ろうと考え、新規ブランドを引き下げて小樽に出店することになりました。それが現在の「souvenir gallery」の1号店なのですが、そのオープン準備が全然終わらなくて、新入社員と夜遅くまで2人で準備して(今ではその子も立派なマネージャーです)、2人もスリッパに穴があいて、笑っているシーン。
先に挙げた初めてのカタログがやっと完成して、みんなで拍手をしている中、現常務の塩崎さんが泣いて、それを見て社長が笑っているシーン。
私の記憶となっているのは、私個人の辛かったり嬉しかったり悲しかったりする思い出なのですが、結果、形として残るのは、新しくスタートさせた経験と事実であり、次へのステップであり成長なんだと思います。
実際、展示会のスタートを経験したことにより、次の新しいこと、例えばイベントなどにも活かすことが出来ましたし、会社としてこの階段を登りきることで、今まで見えなかった新しい課題とステージが見え、また次の一歩へ進むことが出来るようになります。
私は企業が成長するには、もしくはすごくネガティブな言葉で伝えるならば後退を阻止するには、会社の空気をグルングルンと動かしたり、沸騰させたり、強風で吹き飛ばしたり、窓全開で入れ替えたりしないといけないと思っています。その動いている感を出すために一番効果的なのが、❝はじめて❞を実行することだと思っています。そして会社はそうしなければ止まってしまい、ほとんどの場合、空気がよどんでしまいます。
だからこそ、「はじめて」に手を伸ばすことは、そこに経費が掛かったり失敗する可能性があるとしても、悩み挑戦することが、優良企業であればあるほど行われているのだと思っています。
そして社員側で大切なこと。
どんな形でもいいから、いっちょかみでもいいから、必ずその「はじめて」に触れながら仕事すること。
会社の成長は会社の空気を動かせるかですけど、そこで働く人の成長はその空気にどれだけ巻き込まれるかだと私は思っています。
変化を恐れて自分の殻に閉じこもっているようでは、前の会社のステージにひとり取り残されてしまいます。毎日どこで風が吹き、どこで階段あがっていくかわかりませんから、きちんと自分の目で感じて、理解して、いつしか関わっていたつもりが当事者になって、責任者になって、グンと成長する。そうなれるかどうか、そこに必要なのは、ただただ素直さです。
習慣を続けること、壊すこと。でも記載しましたが、人は仕事でも自分のプライベートでも、習慣化されたことや、慣れ親しんだことを変えるのは、そうしようと意識しない限りエネルギーを必要とします。だからこそ、新しいことやはじめてのことに拒否反応を感じることもあると思います。
でもそこで「まあ、会社(会社でなくても、例えば身近な先輩)が言うんだから、とりあえずやってみようかな」と思える素直さ、これさえあれば変化の渦に勝手に巻き込まれることができます。意見を持つことはもちろん大事です。巻き込まれた上で自分の意見を持てばいい、自分の感覚を活かせばいい。まずは、一歩前に進んでみてください。
こうやって過去を振り返ってみるとより感じるのは、最近は変化したり成長したりするための空気の回転が、グルングルンから、クルンクルン・・・と弱まってきていて、窓もゆっくり開いたり閉まったり、沸騰させるのも火を焚くのに手間取っていて、、ああもどかしい!という感覚があるなあと。これにはコロナによる大打撃もありますが、ちょっとぬるま湯に慣れちゃってるかもしれないなとも思っています。
成長することで、店舗も増え、人も増え、オフィスも綺麗になって、部署がたくさんになって、セクションごとでものごとが動いていく。だから、今は昔には戻れない。確かに成長しているけれど、もっと必死にならないと、この危機は乗り越えられないのかも、逆に言うと、必死になれば、怖いもの知らずの昔を超えられれば乗り越えられると信じています。
今も「はじめての〇〇」の事業を動かしています。
ワクワクするような、ありそうでない。想像どおり事業が成功すれば、カンブリアに出れるかも。決まればむちゃくちゃ面白い。
そんないろんなことを。
でも、もっと燃え尽きなければ、成功しない気がする。
復活に向けて。
もうひと、もうふた、もうみ 踏ん張り。
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