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会話相手を喜ばせることができるスキル
自然は人間に一枚の舌と二つの耳を与えた。だから人は話すことの二倍聞かねばならない。
ギリシャの哲学者・ゼノン
「聴く」とは?
「聴く」というのは、相手に強力な心理的報酬を与えると言われています。
ポイントは、自分の方から念入りに聴くこと(listening)です。
つまり、「聞く」(hearing)とは違います。
傾聴の6要素
今回は、Brownel(1985)は、「HURIERモデル」を紹介します。
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「HURIERモデル」では、傾聴を6つの要素で説明しています。
Hearing:相手の話に聴くこと
Understanding:話の内容を理解すること
Remembering:聴いた内容を覚えておくこと
Interpreting:相手の非言語チャネルを解読し、相手の考えや感情を解釈すること
Evaluating:相手の話を最後まで聴いてから判断すること
Responding:聴いていることを言語的・非言詩的行動で示すこと
これらの要素を意識するだけでも、日頃の聴き方を変えれるかもしれません。
傾聴スキル
傾聴スキルは、基本的なソーシャルスキルの1つと言われていますが、案外できていない人がいるとも聞いたことがあります。
学校教育では、読み書きは教えても、話すことや聴くことはあまり教えられていません。
聴くことは容易で当たり前のことだと認識されているのでしょうか?
しかし、人の話を上手に聴ける人はあまり多くない気がします。
今回は、傾聴のメリットをお伝えし、聴き方のテクニックをご紹介します。
傾聴は、例えば、以下のようなメリットがあります。
正確な情報を得ることができる
相手を肯定し、信頼関係を築くことができる
お互いの違いを理解することができる
聞き上手
傾聴スキルは、恋愛や仕事でも活用できます。
しかも、傾聴スキルを発揮して、相手の話を聴くと、相手の情報だけでなく、第三者の情報や一般的な情報も得ることができます。これは、自分が知らない情報を得ることができる手段になるでしょう。
それでは、どのように相手の話を聴けば良いのでしょうか。
聴くスキルで用いる要素は、5つにまとめることができます。
1. 小さな報酬を与える→相づち,驚き,同意などをする
2. 開いた質問をする→オープンクエスチョン
3. 語句を言い換える→相手の話を言い換える
4. 感情と理由を反射させる→相手の気持ちを言い換える
5. 相手との距離を保つ→パーソナルスペース
London: Cassell Publishers Limited.
(相川 充(訳)(1993). 思いやりの人間関係スキル 一人でできるトレーニング 誠信書房)
反射
今回は、「反射」(リフレクション)という方法をご紹介します。
反射を実行する際のポイントは、「話し手の気持ちを読み解くこと」です。
反射を使うときは、話し手の気持ちを表している言葉や表情などに注目します。
話し手:「最近、彼女と喧嘩して、声をかけても無視されているんだよ。どうすれば仲直りできるかな。困ったよ。」
聴き手:「彼女に無視されて困っているのか。」
話し手:「そうなんだ。今日も顔合わせたのに挨拶してくれなかったよ。」
聴き手:「彼女と仲直りしたいんだね。」
高度な反射は、相手の話や気持ちを「要約」して対応します。
反射を磨くには、トレーニングが必要ですが、まずは、相手の話を遮らずに聴くことを心がけていけば良いかもしれません。
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