案内って、難しい。
大きな物の搬入には、裏口を使っていただくので、業者さんからインターフォンで連絡を受け、お部屋に在宅確認をして、お部屋前まで通します。
お部屋まで届けてください、とお伝えした後、入り方の説明をするのですが、これがなかなか上手くいきません。「右の扉を開けますので」と言っても、左の扉を見る。インターフォンのすぐ左にガラス扉があり、館内が見えているので、それが目に入ると、耳からの情報よりもそちらが優先されてしまうようです。
「右です右ー!」「そっちじゃなくて、もう一度下がって・・・」などなど、度々行き違いが発生するので、伝え方を考えてみました。まずは、「インターフォンに向かって、右の扉を開けます」と伝えるようにしました。すると、幾らかの割合で聞く人が増えました。それでも耳に入っていない様子の時は、「まず、インターフォンに向かってください」と伝え、それから「そこから右の扉を開けます」と伝えるようにしました。一旦その態勢に入ってから、次の指示を受ける、という意識になるようで、殆どの場合これでスムーズにいくようになりました。
タクシーの運転手さんも、どこで待ったらいいのか分からずウロウロしたり、ご入居者からクラクションを鳴らされてまごまごされているのをよく見かけます。そのうちに、私達にとっては“いつもの”車寄せでも、初めて来た人にはどういう構造・仕組みになっているのか分からないもの、当たり前だな、と思うようになり、何を伝えたら、相手の役に立つだろうと考えました。
こちらもトライアンドエラーを繰り返し、左奥が駐車場になっていて、車が出てくること、停車してもらっている後ろから、入庫の車が進入すること、タクシーに乗るご入居者は、こちらから来ること、を伝え、待っていただくようにしたら、安心して待たれるのを実感するようになりました。
忙しいとどうしても、簡単だから、迷わないでよ・・、とイラついたりしてしまいますが、“初めて来た人の立場になる”を、忘れずにいないと、と反省します。ゲストの方も大切ですし、業者さんも、誰かの大切な人な訳ですから、そういう想像力を持って、できるだけ思いやりのある対応をせねば、と自戒しています。