引越し先のバスルームを、同じようにリフォームしたい!前編
今までで、一番心に残っている対応は何か、と考えた時、ダントツ一番になるのが、今回のお話です。
そのご入居者とは、退去された後連絡を取り合うようになり、今では来日の度に顔を見せにわざわざ寄ってくださり、お土産にもいつも心を砕いてくださって、本当に友人のようにお付き合いいただいています。
そのきっかけは、退去間際にお受けしたリクエストでした。ロシア人とアメリカ人のご夫婦で、日本で働いていらっしゃいましたが、契約終了に伴い、スイスに戻られることになりました。その際に、この建物のバスルームが非常に気に入ったから、引越先のバスルームを、全く同じにしたい!という、壮大なプロジェクトを語られました。
まずは、スイスでは、こういったオシャレなパーツが手に入らないので、手すりやドアノブなどのカタログをもらえないか、という依頼から始まりました。もうすぐ退職予定だった先輩が、カタログをお渡しして帰国される流れとなったものの。カタログは全部日本語ですし、どうするのかな、と思っていました。
帰国後、メールをいただき、どうしてもこのカタログのパーツが欲しいので、取り次いでもらえないか?とのお願い。退去した後の人にそんなことをする必要はない、と言われながらも、私が1人でやるんであれば黙認、といった雰囲気だったので、引き継いでとにかく出来るところまでやってみようかと、ミッションがスタートしたのでした。
そもそも、個人向けに販売しているかどうか分からなかったので、ショールームに電話をし、支社に電話をし、最終的に、ある営業の男性に辿り着きました。
元ご入居者から受けたご希望は、※※ページの何番と、※※※ページの何番が欲しい。でも、できれば※※※ページのものよりも※※※※ページのデザインの方が好きだが、長さが足りない、希望の長さは*cm、といった複雑な内容でした。電話で話しただけでは、どんなバスルームかイメージが湧かないので、一度見たい、と、その営業の男性はわざわざ足を運んでくださいました。
空室のバスルームをお見せして、再度カタログのどれが欲しいと仰っているか確認しました。このパーツをここに使いたい訳ね、といったことは分かりましたが、いろいろ問題も出てきました。
バスルームの壁の材質が分からないと、そもそも取り付けられるかどうか、また、ビスの長さなどもどうすれば良いのか、業者さんとしても困ってしまう、といった様子でした。また、このパーツは、居室用の物なので、バスルームなら防水加工をしないと腐ってしまいますよ、オーダーメイドならできますが・・・など。うーん、なるほど、と唸ってしまう内容でした。
後編に続く。