誰を基準にするのか、ということ。
これが30代後半になってクリアになるというのは、恥ずかしいことですが・・。
ロールモデルを持って行動することの大切さ、また、そういう存在がいる・いたことのありがたさを、痛感するようになりました。
仕事の仕方は千差万別で、観察していると、その人の仕事への姿勢や、人間として相手を思い遣る気持ちの有無が、色濃く表れると実感しています。
この仕事に就いた当初、複数の先輩から仕事の説明や指示を受けましたが、印象に残っていることがあります。
まず一つは、機械式駐車場内の電球が切れている、とご入居者から指摘を受けた時。こういう場合はどうするのですか?と、ある先輩に指示を仰いだら、「いいよー、置いておけば。まぁそのうち交換するだろうから」というような返事でした。そうなのか、と驚き、ここは、そんなスタンスでいいんだな、と受け止めてしまいそうになりました。
もう一人の先輩が出勤し、その話になったところ、「それで放っておいたらダメでしょ!」と一蹴されました。その時に、そうだよね、その温度で良いわけがない。危うくそちらの温度を信じて、これからも進んでしまうところだった、と軌道修正しましたが、今思い出しても、あのままの感覚で仕事を続けていたら、と思うとヒヤッとします。“適当でいいじゃん”と思ったら、成長は終わりだな、と強く感じました。
その後よくよく観察していると、最初に指示を仰いだ先輩は、出来るだけ仕事をしたくないタイプの人で、質問した電球交換ついても、どこに頼んだら良いか知らなかったのだろうと推測できました。また、そういった場合に、「分からない」「できない」とは、可能な限り言わない方なんだと実感したので、教えを乞う相手としては、期待しないことにしました。おかげで、甘えていてはいけない、という気持ちが生まれ、自主的に勉強し、その場の自分の判断に責任を持つ、ということが、できるようになりました。
自然に、もう一人の先輩をロールモデルとして設定するようになった私は、彼女の行動を観察しました。
粗大ごみの排出連絡・支払いを受けたら、清掃スタッフさんに依頼し、 “自分が排出したと申告して、お金を払ってくださったのに、長くそこに置いてあることは失礼なので” 、早急に該当の階から降ろすように指示する。
電話で問合せをした際は、相手の性別と名字、日付を控えておく。ホテル宛ての荷物などは、指定日に届かない、などその後のお問合せが想定されるので、コピーを取って置いておく、などなど、相手を気遣うことや、想定されるトラブルを最小限に抑えるための細かい努力が、そこここに見受けられました。
彼女のプロ意識と、自分は、“突発的な事態での対応に自信がないから、先回りをしておく”、という自己分析には脱帽で、辞められるまで、日々勉強させていただいたのでした。
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