【ループ・ルーピング・ループ】の装丁などについて
〔【ループ・ルーピング・ループ】について〕
2024年12月1日 DOZENROSEFES.『悠久の超新星』新刊 R-18
悠脹小説本 【ループ・ルーピング・ループ】
B6サイズ 二段組 500P 35万字程度
9本のWeb再録と、2本の書き下ろし収録
表紙・タイトルロゴ・サークルロゴ:さち様(@sachi_work)
他本文組版・事務ページ:自分
印刷所:おたクラブ様
加工:三方印刷(25mm)
カラー口絵(遊び紙印刷)
表紙疑似箔
(本文幅25mm)
紙
表紙:ジパング リッチゴールド
本文:淡クリームキンマリ 72.5kg
遊び紙:クラシコトレーシング-FS
余白
天:21mm
地:15mm
ノド:28mm
小口:18mm
ヘッダー:13mm
21行×26文字
源暎こぶり明朝 v6 8.5pt
【ループ・ルーピング・ループ】:
主人公がよくぐるぐるぐるぐる考えて同じところを巡っている様子です。
あとCP感が、兄弟であることもあって何というか恋とか愛とかは少し違う感じがして。でも肉欲はあって。お互いでなければいけなくて、別に同性愛というわけではなくて。
それでいて愛してるとは言えなくて、そばに居ることに安心して満足して。でもそれって恋とか愛とかなのでは? というのがぐるぐる巡っている感じもあるからでした。
ループ・ルーピング・ループ、という名前の話を書こうかなと思いましたが、それではなんだかその話のための本みたいで。
他のお話が添え物のような印象になるのは良くないなと思い、全体をまとめてのタイトルとさせていただきました。
〔デザインのイメージについて〕
今回作っていただく際に挙げさせていただいたイメージは
・たくさんの様々な色や形の宝石をまいたような感じ
・シャンデリア
・ベースは大理石のような質感or色
です。
大きくぱっと目を惹くシャンデリアが大人な雰囲気を纏って上品です!
アールヌーヴォー様式の蔦模様のようなシャンデリアのアーチがクラシカルで、それだけで芸術品のようですね……。
元々『Assort』がWeb再録本になるはずでしたが、半分書き下ろし半分Web再録のような形となったため、この本が完全なWeb再録本です。
Web再録となるにあたり、モチーフを選ぶことに難航致しました。
なにせ2年分、9作あればほのぼのラブラブ~ドロドロ薄暗いまであるのです。あっちに寄せればこちらに寄らず。最終的に多種多様なお話はカットの違う宝石として表現していただくことに。
シャンデリア=物語を照らす、人口の光として。
そして様々な宝石は、そのシャンデリアの装飾として。
デザイナー様が天才的な表現力でその二つを融合させてくださっています!
疑似箔も疑似箔と言いながらそんなに目立たないのではないかな、ゴールドインクぐらいの出方かな、と思っておりましたが、しっかりゴールドが出ていて!
ゴールドの紙でしたので、見返し部分もゴールドになったのでより一層豪奢な感じになったと思います。
上記の話と重複しがちなのですが、どうしてもゴールドよりシルバー、暖色より寒色を選びがちなものでゴールドは本当に豪華なんだなーと感心しきりです。
あとはジパングという紙が(蒔絵のような質感というご意見があり、)もう少し和風によってしまうかなと思いましたが全くそんなことはなく。
マットPPを掛けることによってしっとりと、僅かな凹凸がきらめきをもって華々しくしてくれるなと大成功だと心躍りました。
ちょうどこの本が出るか出ないか、の辺りでSNSで色々なことが起こり、アカウントや作品をどうするかという騒動があったのでこの機に纏められて良かったな……と思いました。
〔デザインについて〕
この本は前回に引き続き、さち様(@sachi_work)にお願いいたしました!
今回お願いいたしましたのが
①表紙4Cフルカラー
②表紙白抑え版
③三方印刷 天
④三方印刷 小口
⑤三方印刷 地
(⑥タイトルロゴ)
で、前回のnoteにもありましたがしばらく私が灰になっていたのもあり……、モチーフをまとめるのに時間が掛かったのもあり、ダメ元でお願いしたのです。
有難くも受けていただけて本当感謝感謝でございます!
いつも細かくヒアリングしてくださったり、RGBとCYMKの比較データを作ってくださりと、心配りがすごい……と見習わねばとなるばかりでございます。
今回はRGB入稿推奨でしたので、より鮮やかな色合いになっているかなと思います。
上記を見ていただければわかりますが、天・小口・地、全てデザインが異なるのです!
シャンデリアの飾り一房のような、ガーランドのような、ドリームキャッチャーのようなキラキラは息が止まるほどです。
大理石の柔らかなベースに、水面のような大きな宝石のようなカットに自然と目が行ってしまいます。
パール様のガーランドの流れが嫋やかで優美で……。
大人な雰囲気は一固体の芸術作品だなと思います。
宝石の入った化粧箱のような出で立ちは重厚感がたっぷりで、その名に違わぬリッチさのあるリッチゴールドの紙の上で華やかこの上ない存在感です!
三方印刷はあまり濃い色だと表紙にかなり影響が出る、というご意見を散見いたしましたので、淡い色味で、とだけお伝えし、具体的な色味などはデザイナー様に今までの本のデザインと被らない色味を、とお願いさせていただきました。
その結果、黄色~水色~緑でデザインを頂戴して小躍りいたしました!
黄色、緑、赤や濃い色、というのを実はなかなか自分自身ではチョイスいたしませんので、大人っぽいブルーグリーンのような、ピーコックカラーに仕上げていただけて喜びでございます。
〔装丁与太話〕
この本はWeb再録本、ということで、元々は自分用に1冊作るつもりで作業をしておりました。
そうこうしている内に予備が要るな、献本用に、人様に差し上げるならデザイナー様にお願いしたいな、デザイナー様にお願いするならせっかくだだからイベントがあるので紙で欲しい人用に……と頒布に至ったのです。
なので、ちょこちょこ(スケジュールがギリギリだったせいもあり)私自身が事務ページやカラー口絵などを手掛けております。
最初の本、次の本とも小口印刷をしておりましたので、以前よりしてみたかった三方印刷をメインに考えました!
三方印刷をして頂ける印刷所様が当時2社のみ、イベント時は1社様は三方印刷をお休みされていて(今は復活されたご様子ですが)、実質選択肢1社という形で印刷所様を決めさせていただきました。
後は三方印刷を行うと箔が押せないので、では以前からやってみたかった疑似箔を……という形で決めたのです。
実際の写真はこちら↓
〔組版のこと〕
A5を予定しておりましたが、装丁の同士の方とお話している内にB6サイズも可愛いかな!と思いB6に。
一度作ったA5のデータをB6に作り直すという暴挙を犯しました。
B6サイズの本にしようと決めたものの、あまり資料がなく。
A5サイズならば二段組決定ですが、B6には一段組か二段組かの選択から始まるのですよね。
あとはB6サイズはフォントサイズを8.5ptにするか9ptにするかも悩んで本棚をひっくり返したり定規を宛がったりネットの知見に縋ったり、いろいろ致しました。
B6サイズの本を作ったことがないので、試し刷りを軽くしてみたところ、何とノドと小口の余白設定を逆にしているという体たらく……。
何回本を作っているのです……。
結局、二回試し刷りをしたので読みやすい形に出来たかな、と自画自賛しております。
今回は初めて試し刷りをいたしました。
試し刷りをする、という概念がなかったもので、試し刷りをすればいいんだ!と気付いた時は軽く開眼した気がいたします。
〔思い出話〕
・カラー口絵のために自宅のプリンターに工作してトレーシングペーパーを突っ込んで印刷してもらいました。
口絵(遊び紙印刷)が上手く行って本当に安堵しました。
・印刷所様の関係で、500Pまでの制約がありました。
500Pまでに収まって良かったです!
・今回とても、再録本は作るのが大変なんだなと思いました。全ての再録本を出してくださっている方には本当に感謝しかございません。
・以前までの本よりもP数は少ないですし、B6とはいえ……と思っておりましたら500gほどあり、まあ以前までの本と比べて100gぐらい、と思っておりましたら重かったです。
書店委託様分にもしおりをつけるため、自宅に一旦全ての本を送ってもらいましたので、一度自宅玄関が埋まってどうしようかと思いました。
あとは書店様やイベント会場に段ボールに詰めて発送する際も、規定の重さをオーバーしないように、などとともかく重さに悩んであっちこっちしていた記憶がございます。
・実際のイベント会場では、宝石モチーフもございましたのでジュエリーボックスを用いてクリスマスプレゼントのように。
セルフ出荷も近くて有難かったです!
・と、思ったのもつかの間。
シャッターが左と前にあったのですが両方がフルオープンしたと思ったら風がすさまじく、寒い寒い寒い。
まわるポスタースタンドと戦闘開始です。
最終的に倒れるようになったので回収したころに風が落ち着くという……悲しみです。
なぜか私の島の辺りの段ボールは島の向こうの向こうに搬入の段ボールが置かれていたり、上記のポスタースタンドに苦戦したり、本を出してしおりを挟んで右往左往しているうちに会場、となってしまいました。
なので今回設営は開場に間に合わず遅刻した挙句、写真も今見ると酷いのですが、それもまた一つの思い出だと思いたいです。
・イベントに関係ないのですが、今回のMVPはぱたコロさま!と言っても過言ではありません。
搬入・搬出のみならず、イベント中ぱたコロに重い本がはいった段ボールを乗せて机の下にしまっておくと、キャスター付きの引き出しのように出したり入れたりできるので便利でした!
(※ストッパーはないので、転がって行かないようにだけ注意しないといけないのですが※)
・デザインだけの書影を先行で出した際に、「多分本になったらキラキラしていると思う」と言い当ててくださった方がいらして、良くお分かりでいらっしゃる!と驚いた記憶があります。
・今回の本ではないのですが、前回の【運命を演じてくれないか】の件で印刷所様にご挨拶に行けたり、展示されているのを見に行けたり出来たのはすごーーーく嬉しかったです!