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本人は孤独だなんて思っていないよ絶対。

SF短編『みどりのゆび』と同時に出したこの短編集。
紹介記事を書かないまま、気が付けば12月になっちゃったよ・・・!

12/20からの架空ストア企画「夜明けのマッチ売りR6」に参加するので、今だ、このタイミングだ!紹介記事を書こう!



◆作品概要


表紙

「わたしたちには なやみなんてない。」
2024年10月発行 A6/46p/400円

2021年に10冊だけ作った短編集『わたしたちには なやみなんてない。』
表紙と短いあとがきを新たに、改訂版として発行しました。
ひりひりする読み味、ちいさな棘を抜きながら描く日常がお好きな方に。

◇どこへでも、

「ほんと、たいしたことじゃないんですよ。先生」

そう言って女子高生の主人公は語り出す。
「散歩に行ってくる」と出ていったきり、帰ってこない母のこと。
姉とふたりで過ごすの日常のこと。

どこへでも行ける。 どこへでも行ってしまえ。
でも一体、どこへ?

◇鍋

ある家族の食卓の風景。 母から家族へと順番によそわれ、最後は雑炊になる。そういう儀式のようだった。

食べるのをやめた妹、父。
母と姉と僕は、変わらずに5人分の鍋を食らう。
あやういバランスで成り立っている、どこか不穏で歪な家族のかたち。

試し読み▼(改稿前)


◇春が来るまで待っていて

男子中学生の四人は、公園に集まってハルシオンを服用する。
「ハルがキタ」と笑いだす友達に、キマッたふりでついていく俺。
担任教師に呼び出されても、友達を裏切ろうなんて思わない。
俺は。けっして。

◇二毛作の兄弟

家を出ていった兄弟は、両親の他界をきっかけにそれぞれ「米」「麦」を交代で引き継ぐことにした。
米の時期には兄の夏樹が。 麦の時期には弟の冬真が。
ほんの少しのずれで壊れてしまいそうな、不確かな暮らし。


◆冒頭サンプル

クリックすると画像が大きくなります。


◆「わたしたちには、気づきたくないものがある。」

連作にならない短編集は2冊目。
前に出した短編集はさわやかなものでした(当社比)。

が。
こちらはひりひり度大幅アップの作品集になっています。

改訂作業していてちょっとびっくりした。
私こんな話書いてたんだ・・・と。

やっぱり、書いたものを客観的に見られるようになるまで2、3年かかりますね。

日常の、ふとしたときに孤独や棘を感じとってしまう方にはおすすめです。
痛みを通り越して「落ち着くわ~」って感じすらあるのでは。


◆おわりに

現在、通販&委託のみの取り扱いになっています。
リアルイベントは、順調にいけば3月のTAMAコミ@東京都八王子に持っていけるのでは。

冒頭にも書きましたが、12/20~27に架空ストアさんで送料無料企画があります。
タイミングが合うならこちらがおすすめです~。

▼架空ストアさんのナカノヒトリページ。


取り扱いタイトルはBOOTHが多め。
ナカノ本にはおまけがついてきます。


『みどりのゆび』と同じく、こちらもあまり刷っていません。
(ちなみにみどりのゆびはイベント委託したりしたので、在庫がもう一桁)

気になる方は手に取れるタイミングでどうぞ~!



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ナカノヒトリ
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