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ナカノヒトリ
2018年8月30日 12:41
親類が余命宣告を受けるのは、これで二人目だ。一人目は母方の祖父。長くて三か月、と言われたひと月後に亡くなった。あの時も夏だった。夏に始まって、夏にすべてが終わった。今度は父方の祖母。ガンがあちこちに転移して、気丈な祖母は「延命はせえへん。痛み取りだけで」と答えたらしい。少々見栄っ張りで、少々人嫌いの祖母。きつい口調の関西弁でまくしたてられたことを思い出す。そんな祖母に育てられた叔父は、
2018年8月3日 11:30
市販の包装紙を用意する。それを適当な大きさに切って、折る。上と下の角を斜めに切る。一度開いて、谷折りになっている部分を切り落とす。あとは丁寧に糊付けをすれば、封筒が完成する。黙々と手作業で封筒を作っていくと、静かで満ち足りた気持ちになった。余計なことは考えず、封筒づくりに没頭する。ときどき一万円札を合わせて、大きさを確認。一万円も渡せる日は来るだろうか。だけど、渡せる準備をしておくのは大切な