卯兵衛
今週の初めに与謝蕪村展@府中市美術館で求めた葉書を送る。送り先は、祖母と友人M。
二人ともにこの美術展のメインビジュアルであるウサギの葉書をえらび、その解説を添える。与謝蕪村は俳人として有名だけど、このウサギも「涼しさに麦を月夜の卯兵衛かな」という俳句と、その俳句が生まれた若かりし日の旅先でのエピソードに添えられた絵であることを絵の周りに書き込む。卯兵衛の名の由来はいかなるものか。イラストっぽい絵と風流な文字情報という取り合わせのこの作品の魅力、つたない説明で伝わっただろうか。
高校からの友人Mは医療従事者だ。普段も忙しかったけど、ごくたまに、とっておきの美術館を誘って、一緒においしいものを食べたり、とりとめのない話をしたりする。ここ1年はもちろん会えず、仕事はもっともっと大変そう。私の気まぐれな葉書をことのほか喜んでくれて以来、時々葉書を送る。のんきな葉書は、時にはうっとうしく感じることもあるかもしれないけど、ポストに時々おかしなものが届いてふっと気が緩めてもらえるように、私なりにエールの気持ちをこめて送る。今回は、前回のやりとりの見通しよりワクチンが遅いのでもうちょっと我慢の内容。本当は、今春に一緒に行きたかった鳥獣戯画展のウサギにちなんで、別のウサギを送った、と伝える。こっちもかわいいので、ちょっとほっこりしてもらえたらうれしい。