断易基礎 『黄金策』 解説2
黄金策総断千金賦 第二条文
雖万象之紛紜、須一理而融貫
(万象の紛紜といえども、すべからく一理にして融貫すべし)
[意訳]全て現実に見え、現れてくる現象は様々で複雑でありつかみどころがないように思えるが、
これらはひとつの理によって貫かれているのである.
【解説】
・目先の緊急を要すること
・遠い未来のこと
・遠くにいる人のこと
・国家や世界に関すること
・個人の身の上
・天気や天候・自然災害
・見えない世界の動き
・鬼神の情
現象としてあらわれるさまざまなものは、それぞれ複雑な状況があり
つかみどころなくどこにいくのか行き着く先がないかのように見えるが
これらすべては自然の理にかなってうごいていて
「ひとつの理」をはみ出たり乗り越えて起こる現象はない.
この現実世界である「自然の理」は
[自然の様態を「八卦」の二乗 8(天)×8(地)=64 個:六十四卦]
易の卦爻に姿形のモデルをあらわしている.
この卦爻は時間軸(=年月日時)により変化を決定する.
時間の影響を受けた易の諸機関の中に潜んでいるものとの間の「理法」
つまり時間と易卦の作用のメカニズムという
一定(=不動)の原理原則を知れば
すべての事柄と事象をことごとく自分の手の内にあるように
あらゆるものの傾向と結果を測定することが可能となる.
一究極にある「ひとつの理法」とは何か?
それは、すべてのものは「中庸」に至るということである.
エネルギーが凝縮して「存在」となる.
存在するものはそれ自体で凝縮された個(別)性をもつ.個別性とは各段階の #陰陽五行 の度合いの割合で表現される.
総体としては均衡を保とうと強弱に基づいて
バランスをとり全体調和という安定に向かって働く力をもつ.
現実の世界で個性とはあえて変化を起こすためにありとあらゆるところで
エネルギーを投入され何らかの「歪み」状態となって存在している.
「歪み」とはエネルギーの凝縮された姿である.
あたかも光が射し込む所に影を映し出すように
必然的に二面性を同時に抱え
これがさまざまに影響し時間が進むとともに
螺旋状に循環運動を起こし積み重なって
時に合わせて分離し存在が成り立つ.
つまり「陽陰」が存在という見える形をつくる最初であり
これらが段階的に分離結合することで歪みがうまれる
これが存在の原点である.
これら存在したものは調和に行き着く.
分立したものは最終的に融合するようベクトルを向ける.
ゆきすぎたときには破壊的に作用してまで平衡状態をつくろうとする.
これが存在するものは「中庸に至る」という目的性をもつという意味である.
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