Honey Processという名の加工法
こんにちは。
久しぶりの投稿になります。
先日のコスタリカのブラックハニーという加工法をしているコーヒー豆を購入しました。
試飲したとき、浅煎りなのにしっかりした甘みがあって、長い余韻が残るギャップに感動して、購入を決めました。
そこで今回はこのブラックハニーに関連するハニープロセス(Honey Process)というコーヒー豆の加工法について、noteに記したいと思います。
ハニープロセスってなに?
みなさんはハニープロセスって聞いたことありますか?
これはコーヒー豆を生豆から乾燥させるまでの加工法の一種になります。
コーヒー豆の加工法は、ざっくりいうと2つに分けることができます。
乾燥式(Natural)と水洗式(Washed)です。
乾燥式は、果実を残した状態でコーヒー豆を乾燥させます。こうすることで、果実の味わいが豆に残り、ベリー感のある味わいになります。
一方、水洗式は、果実を除去して、その下にある粘液(ミューシレージ)を水洗した状態で乾燥させます。こちらの加工法は、クリーンでジューシーな味わいになります。
そして、この2つの中間どころに存在するのが、ハニープロセスです。ブラジルでは、パルプドナチュラルとも呼ばれています。
ハニープロセスは、2000年代にコスタリカで開発された加工法です。
水洗式を主流とする国で、ナチュラルで表れる風味を引き出すために開発されました。
ハニーというと、ハチミツのような甘さが生み出されるのかと想像されますが、そうではありません。(実際ミューシレージの除去率によっては、甘みのある味わいにもなります。後述。)
ミューシレージとはラテン語でMielといいます。Mielとは、ラテン語ではハチミツという意味も持ちます。これがもう一度英語に変換されることで、ハニープロセスと呼ばれるようになったといわれています。
ハニープロセスでは、果実は取り除きますが、ミューシレージは残したままです。
ミューシレージには、天然の糖分が含まれています。ミューシレージを残したまま乾燥させることで、水洗式では出せない甘くて、複雑な風味を引き出すことができます。
また、乾燥式と比べて、果実を取り除いているので乾燥工程時間を短くでき、チェリーの腐敗やカビのリスクを低減することもできます。水洗式と比べると、ミューシレージを洗い流さないので水資源を削減できるメリットがあります。
しかし、ハニープロセスにもメリットばかりあるわけではなく、もちろんデメリットも存在します。
ハニープロセスの乾燥工程にはリスクが伴います。
ミューシレージを残しているためコーヒー豆同士が引っ付きやすいため、細心の注意を払わなければいけません。
しかし、ハニープロセスの技術を習得すれば、その教育コスト以上のリターンは得られると思います。
ハニープロセスにも種類がある
ハニープロセスにも種類があります。
ハニープロセスは、ミューシレージの除去率によって種類が分かれます。
Black Honey
ミューシレージ: 0% 除去
Character: Sweet and full bodied with fruity/pulp depth
Red Honey
ミューシレージ:25% 除去
Character: Sweet and syrupy
Yellow Honey
ミューシレージ:50% 除去
Character: Floral, light body, apricot
Golden Honey
ミューシレージ:75% 除去
Character: Crisp, citrusy
White Honey
ミューシレージ:100% 除去
Character: Clean, balanced
ミューシレージは乾燥していくにつれて、空気中の酸素と酸化していきます。
酸化していくにつれて、ミューシレージの色が
白色→黄色→赤色→黒色
と変わっていきます。これが、このハニープロセスの種類名の由来になっています。
味わいもミューシレージの除去率でかなり変わってきます。
前述しましたが、ミューシレージには糖分が含まれているため、除去率が低いほど深い甘みのある味わいになり、除去率が高いほどクリーンで柑橘系の味わいになります。
おわりに
ここまで、ハニープロセスについて説明しました。
私自身レッドハニーやイエローハニーは飲んだことがありましたが、ブラックハニーは初めての体験でした。
みなさんも見つけたらぜひ飲んでみてください。驚きの甘さがあります。
今後もおもしろいコーヒー豆を見つけたら紹介していきます。