「お友達とは、また会えるよ」という話
春は別れの季節だと、そう僕は思う。
幼い頃から、親の仕事の都合で、引っ越しや転校による別れを繰り返してきたせいだろう。雪国や都会、海の向こうの離島、暑い土地など、本当に様々な場所を転々としてきた。
別れのタイミングは、いつも春だった。
幼稚園の頃に、もう名前さえ思い出せない幼なじみと離ればなれになったのもこの季節だった。小学校や中学校の頃に、放課後に一緒に遊んだ友達と別れたのも、高校を卒業して親元を離れたのも、社会人になって初めての転勤も、いつも春の出来事だった。