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「狐のかえり道」という8番出口ライクゲームが非常に素晴らしい作品だったのでおすすめしたい【物の怪(異変)のネタバレ基本的になし】


1.基本は間違い探しを8連続で正解する「8番出口」ライクゲーム

「8番出口ライク」というゲームのジャンルがあります。端的に言えば

・間違い探しをn回連続で正解する

これだけの単純なゲームです。
もちろん名前のもとになっている「8番出口」以前にも似たゲームはあったと思いますので原点というわけではありません。しかし、それでもその名前がゲームジャンルを定義するまでになったのはそのルールの単純かつ分かりやすさと多種多様な

『味付け』

ができるからに他ならないわけです。

今回おすすめしたい「狐のかえり道」も例にもれず8回連続で正解か不正解かを見破る単純なゲームなのですが、その『味付け』が最高かつ絶妙でたまらないというわけです。

2.「狐のかえり道」のココがすごい!

このゲームはよくある「8番ライク」なのか?違うんです。
このゲーム、素晴らしいんです。

めっちゃかわいい

ルールはこのお狐さまの「舞」が正しいかどうかを見極めること。

見極めるためにはしっかり見る必要があるよね

舞を見極めるということで、途中で止めたりして考えることはできません。
どこに物の怪(このゲームで言う「異変」のこと)があるかわからないので
しっかりと見る必要があります。

キツネ耳で
しっぽがモフモフで
可愛い声で(CV,内田真礼)
ありんす口調で
巫女衣装の

女の子をじっくり見ることが、このゲームの正しいプレイ方法なのです。
(ちなみに私は狼と香辛料のホロが大好きです)

3.間違い探しをする「理由」と「EXCUSE」

このゲームの素晴らしいところは、単調になりやすい間違い探しに
「なぜそれをするのか」という味付けがあることで、真剣に取り組む理由を与えてくれているという部分にあります。

主人公は異世界に閉じ込められてしまい、帰るためにはこのお狐さまが舞を8連続で成功させる必要がある、というのが一応の理由なのですが、根拠や意味よりも「なるほどそうなんだな」と思えることが重要です。

勿論理由なく「何か変な異変が起こっていて気味が悪い」というのも一つの味付けですが、目的があるというのはわかりやすいモチベーションになります。

そして、ここが重要なのですが
………
ともすれば、邪な目で凝視するなんてダメなのではないか、という疑問を

舞の最中には拡大やカメラ移動もできるので、気になるところはじっくり見よう

「舞を成功させるためには 
 凝視するのは当たりまえなんだ(仕方ないんだ)!」

と自らに強烈な「EXCUSE(言い訳)」を与えてくれるのが
このゲームの素晴らしさなのです。

また、このゲームの難しいところであり、面白いところは

物の怪(異変)は適切に指摘する必要がある

というところです。
間違いのあるなしだけでなく、どこが違うのか、までちゃんと指摘しないと正解にならないのでより一層、真剣に舞をじっくりと見る必要があります。

んーなんかどうみても違うけど黒髪のお狐さまも可愛いからもうちょっと見ちゃおう
と思ってずっと見てたら舞が終わっちゃって失敗になったことも。

とはいえ、一部の物の怪を除けば難易度はそこまで高くなく、
充分発見可能なレベルです。一部を除けば。

正解すると褒めてくれるけど、心を見透かされたようなことを言われる

4.実はクリアは目的ではなく、完全クリアが目的のゲーム

このタイプのゲームは、基本的には「クリアすることが目的」なので
運よく8回成功してクリアしたらそこで終わり、
所謂リプレイ性があまり無いものも多々あります。
しかし、このゲーム、実は

通常クリア(脱出)は主人公のためにするもので
完全クリア(すべての物の怪を指摘)はお狐さまのためにすること

となっています。100%クリアにも理由をつけることで、
リプレイ性を高めている、繰り返して遊びたくなるタイプの
非常によくできたゲームとなっています。

ちなみに、発見した物の怪は図鑑で確認可能で
指摘した時のアングルで保存されるので、好きなアングルを狙うという楽しみ方もあります。
さらに、図鑑説明はボイス付きで読み上げてくれるサービス付き。

5.ちょっとだけある仕方ない不満

「狐のかえり道」はここまで書いてきたように素晴らしいゲームではありますが、とはいえ完璧なゲームと手放しに言えるわけでもなく、
残念ながら少しだけバランス調整の甘い部分もあります。

・物の怪の出現率がそこまで高くはない
→お狐さまの舞は1回で約1分半あります。
じっくり見られるのは嬉しいのですが、
間違いがあるかわからない状態で集中して舞を見続けるのは
結構疲れます。異変が見つかればその時点で指摘して次にいけるのですが…
実際、8回中5回が本物の舞だったこともあり、その際は
ノーミスの1プレイで10分以上かかり、けっこう疲れました。

・未出現の物の怪がいっこうに出てこないこともある
→未出現、もしくは出現しても見逃した物の怪の出現率が(おそらく)上がっているわけではないので、図鑑を埋めたくても終盤はずっと既出の物の怪を指摘しつつ、本物は最後までしっかり確認しつつという周回が発生します。このお狐さまが可愛いから許されてる仕様です。

このあたりがアプデで改善したら、もっといいゲームになるのになあ と
不満というよりは惜しさを感じています。

6.終わりに

少しだけ真面目になぜこのゲームが面白いのかについて。
それは

・システムとストーリーがしっかりと結合している

これが理由なんだと思います。

例えば「SEKIRO」
高難易度アクションでリトライが必然的に増えるという「システム」と
主人公が不死の力を持っているのでやられても蘇る「ストーリー」

例えば「天穂のサクナヒメ」
稲作をすることでレベル上げをする「システム」と
主人公が豊穣の神であることで『米は力だ』となる「ストーリー」

※科学的な根拠が重要ではなく「そういう理由である」というのが大事

「狐のかえり道」においても間違い探しのシステムと、
物の怪に騙されないように舞をじっくり見る必要があるというストーリーがちゃんと組み合わさっていて、それが漫画でもアニメでもない
「ゲーム」ならではの体験の面白さを生み出しているのではないかと思います。

まあ、実際はデレデレしながらニコニコでプレイしてたんですけどね!

というわけで「狐のかえり道」このお狐さまが好みなら
間違いなくおすすめです!




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Ex.最後に(少しだけストーリーのヒント)

なんで縛られてるんやろなあ

モールス信号が分かると、物の怪ちゃんも可愛く見えてきて最高です。


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