詩 「耳の」
耳の森、目の島、パーティーを開こう
渡し守、渡し船、何度も来ては
肺に入る宝石、出る水鳥、キキキと鳴いて
じっと待っている足たち、大人しくして、子どもらしくあしらって
暮らしやすい水面、森はどこか遥かへ、音、おと、おととと、
出て行く島、帰ってくる島、またいずこ、耳には手を添えて
花の音、唇の動き、紅い
波が揺れる、震えた瞳の奥の原っぱ、眠る、空と人
人の住むところ、住めないところ、それでもあるところ、
隅々まで住む、ここからも分かって、
背中の骨、歯の光、まつ毛落ちる音
ああ聞いている、見ている、見られている、
うちがわそとがわまんなかがわ
分かって、分からない、分つ、連なりを断ち、
また、くっついて、広がる、広がりの彼方
そしてみな穏やかな顔で、
パーティーはお開き/続いて