
パトゥムタニ日記 vol.9 〜暑い季節にタマリンド〜
蒸し暑い日の午後。
田舎にいる甥から小包が届きました。
開けると、ビニール袋にぎっしり詰まった茶色の物体。
おー、マカームピアック!
タマリンドの殻を剥いて半干しにしたもの。
毎年、この時期に義姉が自家製のものを送ってくれます。

ひとつ摘んで口に入れると
すっっぱい!
果物として売っているマカームワーン(スィートタマリンド)は
干し柿に似たねっとりとした甘味が特徴ですが
こちらは酸っぱくてほんのりと甘い、駄菓子屋の梅ジャムみたいな味。
お湯で溶いて煮詰め、お料理の酸味として使います。
日本でもよく知られている、パッタイのかくし味にも使われています。
タマリンドはマメ科の植物。
ビタミンやカルシウムが豊富で疲労回復、整腸作用に効果があるそうです。
また、美白効果もあると言われて、タマリンド入り石鹸や
ローションも売られています。
食べすぎると身体が冷えるし、食物繊維でお腹をこわすので
気をつけなさいよと言われますが、でも、美味しい。
タイの女の子たちは酸っぱい実に砂糖と塩、それに一味唐辛子をまぶした
甘くて酸っぱくてしょっぱくて辛い、という、
訳の分からない“タマリンド四味”を好んで食べています。

暑くてダラダラしていた夫が(タイ人のくせに私より暑さに弱い)
眼を輝かせて立ち上がると、いきなり
「トムヤム作ろう!」
唐辛子、バジル類、レモングラス、こぶみかんの葉 etc.
庭から集めて来るよう指令が出ます。
冷蔵庫から魚を取り出してぶつ切りにし、
そして出来あがったのは、、、

トムヤムプラーニンは淡水魚のティラピアを使ったトムヤム。
酸味に、マナオ(ライム)ではなく、このタマリンドを使います。
ライムの酸っぱさが直線なら、
タマリンドはほんのり甘味を含んだまあるい酸っぱさ。
淡白な白身魚によく合う。
東北タイの定番料理です。
あー元気が出るよ!
このトムヤムを食べるたびに
なぜか味噌汁を思い出すのは、味は全く違っても
同じマメ科の植物を使ったスープだからでしょうか。
東北タイ人の夫にとっては、私の味噌汁並に
身体に染み込んだスープのようです。
本日もお読みいただきましてありがとうございました。