見出し画像

そういえばICLとレーシックの手術を受けていたんだった

なんとなくSNSを眺めていたらとある芸能人の方がICL手術を受けるらしい、という旨の投稿が流れてきた。「そうなんだ…大変だなぁ」などと心の中でつぶやいていたのだが、そういえば俺もやったんだった

もしかしたら「やってみたいけど、結局どうなのかわかんないから怖すぎる」という方もいるかもしれないので"あくまで自分はこうだった"というレポートを書いておこうと思う。

また手術日は昨年2023年の10月なのでほぼ1年経過しているが、現状には満足している。



なぜ手術を受けようと思ったか

私はかねてより視力が低く、学生時代までは"外出時はコンタクトで、家ではメガネ”という普通の目が悪い人っぽい生活を送っていた。
しかし家で引きこもって作曲をし続ける生活になってからはコンタクトレンズを装着する機会が激減し、気づけばコンタクトを付けて数分で目が充血し、なぜか仕事現場にたどり着いてから外す羽目になるという状態になっていた。

もちろん眼科で検診を受けるわけだが、結果は主にアレルギー反応で原因はハウスダストとかその辺。
処方された点眼薬を言われた通りにさし続ける日々。あとは空気清浄機とかも試してみたり。
それでも実際にコンタクトを入れてみないと改善しているかが判断できないので、毎回入れてみては充血して現場で外して結局メガネをかけるというわけのわからない状況が続き…
数週間後に再度検診を受けたところ眼科医の先生がボソッとこんなことをつぶやいた。

「まぁ治るもんでもないからなぁ…」

え、そうなの?

もう知らない!というわけでICL手術を受けることにした。
要は眼内にレンズ的なものを入れて視力を補正するというもの。
つまり超・コンタクトレンズである
別に、眼内にレンズを入れてしまっても構わんのだろう…?

ICL編

ということでまずは大手らしきクリニックで事前の検診を受ける。
“そもそも自分は手術を受けられる目をしているのか?”というのを調べるためだ。
ICLの場合レンズを入れるためのスペースが必要になるし、
レーシックの場合は(角膜を削る手術のため)その余地が残っているのか、など
色々と条件が異なるとのこと。

検査の結果、私はICLで近視を補正しレーシックで乱視を補正するというハイブリッド手術を受けることになった。へへ併用?!

目の形やスペースは問題なかったのだが、私の場合は”近視の値もそこそこ大きいけど乱視もかなり強い"という状態で、ICLのレンズ補正だけだと近視しか補正できないっぽい。
そこで乱視も補正するためにレーシックを併用する、というプランをオススメされた。
一応ICLで乱視も補正できるようだがそうなると乱視用のレンズを別途発注する必要がある上、乱視の補正は角度が重要なので目の中で少しズレてしまうと効力を失ってしまうらしい。それってもはやコンタクトレンズ以下なのでは?

というわけで言われたとおりに併用することにした。
ちなみに費用はざっと70万ちょっと。ICLは50万くらいで、レーシックだけだと30万以下で受けられそうだけどもっとゴージャスなプランもあるようなのでその辺は人によると思ってください。
そして事前検診の段階で前金を支払い、差額を手術当日に支払う形になる。流石にちょっと緊張する。

そういえば電話で予約を取り付けた時には「検査にはだいたい3時間ぐらいかかるかと思われます〜」と言われたのだが、途中でレーシックの検査も受けることになったのでその日は結果的に6時間滞在することになった。教えはどうなってんだ教えは!


そして3週間後、まずはICL手術を受ける。
クリニック到着→検査→手術→術後説明→帰宅という流れになるのだが
この"検査→手術”の段階で結構な時間待合室で待たされることになる。
ざっくり30〜45分くらい待っていた気がするのだが、手術前にはありとあらゆる物品をロッカーに入れておく必要があるので本当にただ椅子に座って待つだけである
これが長い。長いし、普通に怖い。どことなく不安も募っていく。
自分のほかに数人が同じ空間に収容されて自分の番がやってくるのを待っていたのだが、一人、また一人と名前を呼ばれて手術室へと進んでいくのを見て

「次は俺の番か…」

と死刑宣告を待つ死刑囚のような気持ちでいた。
もちろんポジティブな手術のはずなんだが、万が一失敗することもあり得ますからね…


で、自分の番が来る。ちなみにその日はクリニックに到着した段階で瞳孔を大きくする謎の点眼薬を差しているため既に視界がぼんやりしている。あと手術直前には麻酔も点眼する。
手術室へ入ると、とりあえずとんでもなく寒い。手術ってそういうものなのかもしれないが、そういえば俺は手術の類を受けるのが人生で初めてなのだ。こ、怖すぎる。
そして手術台に仰向けになると、後は全身麻酔で( ˘ω˘)スヤァ…

とはいかないのが目の手術である

目の手術は自分の力で目を開いていなければいけないのに加え、ある一点を見つめ続けることを義務付けられる
もちろん麻酔で痛みはなくなっているが、常に協力し続けなくてはならない。
そしてこの”目をいじくられながら一点を見つめ続ける”というのが意外と難しい。
「これを見ててください」という目印となる光は与えられるものの、うっかり視点を逸らそうものならば視力を失うかもしれない…みたいな恐怖が付き纏う。

いや俺、この手術初めてなんですけど…!

自分に課せられた使命はただひとつ。
この光を何があっても見つめ続ける、ただそれだけ…!
ちなみに目が乾燥しないように謎の液体を流し込まれ続けているため視界は常に液体越しになる。怖い。

そしてある時、眼内にレンズがプチュン!と差し込まれる!!

声こそ上げないが、心の中ではもう大騒ぎである。
すると明らかに視界が良くなっているのを感じた。液体越しだけど。

しかし急にレンズを差し込まれたことで視線は混乱する。
こちらは一点を見つめているつもりであるが、見え方は変わるしそもそも液体を流され続けているしでもう何が何やらわからない。怖い!
誰でもいいから手を握っててくれませんか!?先生ー!!

「はい、真っ直ぐ見てくださいねー」

俺この手術初めてなんですけど!!!!


…というのを、片目ずつ計2回おこないます。いや、”一点を見つめる”のが普通に難しいんですけど。
一応説明は受けてましたよ?受けてましたけど!実戦は違うというか!人の心とかないんか?

ちなみに術後すぐはよく見えないので別室に移動し、数十分目を瞑って馴染むのを待つ。
そしてその後点眼薬とか防護サングラスとかの説明を受けて帰宅。というのがICLの流れ。
痛みに関しては、もらった点眼薬を差していればほぼほぼ感じなかった気がする。

ICLの術後は色々と制限がある。飲酒や運転、入浴、スポーツなどの運動、目に刺激を与える行為、etc…
個人的に大きかったのが自身による洗顔・洗髪が数日間行えないという点。
自分の場合は3日間でした。もしかしたらクリニックによって異なるかも。
美容室などで他人に洗髪してもらう分には問題なし。目に水がかかることがNGなので。
初めて美容室でシャンプーだけの予約を入れたよ。ヘッドスパもセットでな!!

そして術後の検診が数回ある。翌日と、1週間後、3ヶ月後といった感じ。防護サングラスは基本的に1週間のあいだ装着し続けることになる。
まぁ体感なんですけど、言われたとおりに生活してる分にはレンズがズレたりはしなさそうな感じでした。今もなお問題なし。

ちなみに『ハロー・グレア』という、光の周りに輪っかが出来ているように見える合併症については説明を受けたとおり発症していました。
夜中に街を歩くと街灯がレアカードみたいにギラギラ光って見えます
生活には支障ないけど、最初は気になったかも。
ちなみにその状態でライブを観に行くと勝手に演出が足されまくってて面白かった。

視力に関しては、翌日はとんでもなく見えるようになってて興奮したが、時間経過とともに落ち着いていった。
厳密には、乱視が戻ってきてその分視界がボヤケてくるのである。まぁ補正してませんからね。
このままでも生活できないことはないけど、やはりどこか不十分な感じを残していて…それもそのはず。

まだ私の手術は終わっていないのだから───

レーシック編

ICL手術から最低3ヶ月くらい間を開ける必要があるらしい。
医学的な理由なんだろうが、正直人間の精神的にもそのくらい開けてもらわないと困る。
年もすっかり明けて2024年の2月。年始のおめでたいムードが落ち着いた頃にその時はやってきた。レーシック手術である。

もうハッキリと言うんですがレーシックのがキツかったです。術後も含めて。

当日の流れは大体同じ。点眼薬で瞳孔をこじ開けられて、待合室で虚無の時間を過ごし、麻酔を点眼する。
手術室は別の部屋で、当然だが使用する手術台とか機械とかが色々と異なるっぽい。
正直不安はまったく消えてないが、目の手術という点に関しては既に経験している。これは大きい
ICLの時は初めてだったから!でももう大丈夫!とにかく一点を見つめていればいいんですよね、先生!?

「はい、暗くなりまーす」

え?

レーザー照射による何かが焼け焦げた臭いとともに突如視界が暗転する
いや聞いてないが?

目は開いているのに、何も見えないのである。
もちろん言われたとおりに一点を見つめているつもりだ。
でもさぁ、見えてないんですよ。何も。この状態で何を見つめろっていうんですか、先生ー!!

「はい、真っ直ぐ見てくださいねー」

人の心とかないんか?

数秒すると、無事視界が戻ってきた。ただただ安堵する自分。
そしてこれをもう一度味わうわけなんですが、流石にわかってても恐ろしかったですね。

そして手術が終わる。正直憔悴していた。レーシック怖すぎる。
ほかの手術というものを知らない自分が言うのもなんだが、目の手術は多分トップクラスに怖い気がする。協力しなきゃいけないし。

そこから術後の流れはほぼほぼ同じで点眼薬とか防護サングラスを受け取って帰宅する。

ただ、目がめちゃくちゃ痛い

帰り道はもう痛すぎて目が開けられないほどだった。
というか「術後は目が極度乾燥状態になる」と言われていたのでそれが乾燥によってあふれる涙なのか痛すぎて出る涙なのかがよくわからなかった。それほど涙が出た。
痛み止めを点眼したら多少治まったのでそれが痛みだと判明したが、少なくともその日一日は痛みが続いたのであった。レーシック怖すぎる。

ただ洗髪とかの制限は軽く、翌日には制限が解かれることになる。優しい。
散々殴った後に「好きだよ」と泣きながら謝ってくるDV彼氏のような狂気を感じた

で、その苦しみの果てに得た対価が「乱視が無くなります」だと?

まぁ、悪くないか…

というか実際には乱視が無くなって文字なんかがクッキリ見えるようになった一方で、先述の『ハロー・グレア』に薄いブラーがかかった感じの違和感が残った
たとえば黒地に白で文字が書かれているサイトがあったとして、その文字がうっすら白く発光しているような感じに見える。
最初は「これ残るのかなぁ」と思ったけど、約1年経った今は慣れたというか、馴染んだと言うか。まぁそんなもんなんだろう。
逆に『ハロー・グレア』の輪っかの存在感は8割減といった感じ。
人間って…面白!

まとめ

というわけで今に至る。
今でも半年に1回とかで検診を受けに行っているわけだが、特に問題は起きていない様子。見え方も変わっていない。
あと忘れていたけど老眼に関しては別枠らしく、それはそれで対処しないといけないらしい。
じゃあ若いうちにやった方がいいのかというと、それはそれで資金面の不安とかもあるのでそうそう出来るもんでもないだろう。
というわけで30代前半のうちに手術を終えておいて良かったと思うことにしている。
老眼はどうするとか、また視力が落ちるんじゃないかとか、色々と心配が無いわけではないがそれはその時に考えればいいだろう。
今はとにかく、朝目覚めた瞬間によく見えるとか、コンタクトの準備の時間を取られなくて済むとか、そういった幸福を噛み締めている。

ちなみにレーシックは不可逆なのに対し、ICLはもし度数が合わなくなってもレンズを取り替えることができる。
一見すると素晴らしい制度のようだが、あの手術をまた受けろというのかね?

視力は落とさない方がいい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?