庭を使えていない!現代の正しい庭の使い方とは?その答えは縁側。
リビングの掃き出し窓から直で庭だとどうなる?
部屋の高さから庭までは一般的に60cm程度あります。
日本人は室内と室外で靴を脱いだり履いたりします。
そうすると庭に出るのがおっくうになります。
しかし、リビングの掃き出し窓から直接庭につながるデザインは、そのハードルを一気に下げてくれます。靴を脱ぐ手間が減り、自然な延長として庭を利用できるのです。リビングと庭の境界が曖昧になることで、室内外の一体感を感じながら、庭を気軽に楽しむことができます。
また、掃き出し窓から庭を眺めることで、季節の変化や自然の美しさを日常の中で感じられる贅沢さがあります。庭が部屋の一部として活用されることで、心地よい空間を演出することが可能です。
折角のお庭、ちゃんと使いましょうよ。
注文住宅を建てる際、多くの方がこだわりのある庭を造りたいと考えるでしょう。しかし、完成した庭を本当に活用していますか?折角の素敵な空間を、ただ眺めるだけではもったいないですよね。
まず考えていただきたいのは、庭の用途です。庭は単なる景色だけでなく、家族や友人との素敵なひとときを過ごすための場所でもあります。デザインだけでなく、庭をどのように使いたいかを明確にすることが大切です。
例えば、バーベキューパーティーを開催するためのスペースや、リラックスできるスペース、お子様が遊ぶためのエリアなど、庭を機能別に分けて考えてみましょう。それぞれのエリアをデザインに取り入れることで、庭が多目的に使える場所となります。
また、季節ごとの変化も楽しんでみてください。春にはお花見を、夏には涼しい風を感じながら読書を、秋には紅葉を楽しみながらティータイムを、冬には雪景色を眺めながら温かい飲み物を…。庭を四季折々の楽しみの場として活用することで、より一層庭の魅力を引き立てることができます。
折角のお庭をもっと身近に感じ、その魅力を最大限に引き出すために、日常の中で積極的に使ってみましょう。
ミソは内から外へのグラデーション
住宅のデザインにおいて、心地よさや使いやすさを追求することは欠かせません。そのなかでも、日本家屋の伝統的な空間構成が提供する「ミソは内から外へのグラデーション」は、居心地の良さと庭の魅力を結びつける鍵となる手法です。
日本家屋の間取りには、室内から庭への自然な移行が取り入れられています。室内から広縁、縁側、そして庭へと続くステップが、私たちの心境をゆるやかに変化させるのです。これにより、庭に出ることが心地よく感じられるような雰囲気を作り出すことができます。
室内から始まるこのグラデーションは、まず広縁で室内と外の境界を感じながら、続いて縁側で風や光を感じることができます。この過程で、外への移行が徐々に進み、庭の自然が身近に迫ってくるのを感じることができるのです。
この考え方は、現代の注文住宅にも応用できます。広縁や縁側の要素を取り入れることで、室内と庭のつながりを強調し、室内から外への自然な流れを作り出すことができます。このグラデーションを取り入れることで、庭への出入りが自然で気軽に感じられ、心地よい生活を楽しむことができるのです。
ミソは内から外へのグラデーション。これは、日本家屋が提供する智恵のひとつであり、注文住宅のデザインにおいても大いに活かされるべきポイントです。
日本古来の縁側という考え方
日本の伝統的な建築様式には、室内と庭を繋げる大切な要素があります。それが「縁側(えんがわ)」です。縁側は、室内から外へのつながりを持ちながら、風や光を感じながらくつろぐ場所として古くから愛されてきました。この日本古来の縁側の考え方は、現代の庭の使い方においても大いに参考になります。
縁側の持つ魅力は、室内と庭の中間地点としての存在です。室内の快適さを保ちつつ、外の自然を感じることができる場所として、日常の憩いの場となります。現代の住宅においても、庭とのつながりを大切にすることは、心地よい空間づくりに欠かせません。縁側はその架け橋として、居心地の良い住まいを実現する一助となるのです。
縁側の考え方は、庭を利用する際の心構えにも影響を与えます。縁側は外の空間との境界線をぼかすような場所であり、庭を楽しむ姿勢を醸成します。現代の庭の使い方でも、庭をただ眺めるだけでなく、庭を味わい、楽しむ姿勢が大切です。縁側のように、室内と庭の中間に立ちながら庭を感じることで、日常の喧騒から離れてリラックスできるでしょう。
日本古来の縁側の考え方は、現代の庭づくりにおいても有益なヒントを提供しています。縁側のような心地よいスペースを取り入れることで、室内と庭のバランスを取りつつ、庭をより深く楽しむことができるのです。
最先端デザイン住宅の縁側の捉え方
縁側は日本の伝統的な住宅において、室内と庭を結ぶ大切なスペースとして存在してきました。しかし、最先端のデザイン住宅においても、縁側の考え方は驚くほど有益なヒントを提供しています。それは、室内と外の融合、そして庭を心地よく楽しむための重要なアプローチです。
最先端デザイン住宅は、機能性や美しさにおいて高度な技術やアイディアが盛り込まれています。しかし、その中でも「縁側の精神」を取り入れることで、より洗練された居住空間を創り出すことができます。例えば、広々とした窓やテラス、バルコニーなど、室内と外を繋ぐスペースを活用することで、自然の風や光を取り入れながら心地よい空間を作り出すことが可能です。
縁側の精神は、ただ外を眺めるだけでなく、庭や外の環境との調和を大切にするという考え方も含みます。最先端デザイン住宅においても、庭を利用する際には、その周囲の景色や環境と調和するデザインを心掛けることが重要です。庭を通じて外の自然と一体感を感じつつ、快適な生活を送ることができるのです。
最先端デザイン住宅の縁側の捉え方は、伝統と現代の融合を通じて、より豊かな生活を創り出すためのヒントを提供しています。縁側のような心地よい空間と、最新のデザインやテクノロジーの融合が、魅力的な住まいを形成します。
これにて、庭の使い方と縁側の考え方についてのコラムシリーズが終了いたします。皆様の住まいがより豊かで心地よいものとなることを願っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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